床矯正とは？メリットや注意点、治療期間と費用を解説
2025年10月11日（土）
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。
床矯正（しょうきょうせい）は、主に子どもの歯並びを改善するために用いられる矯正治療の一つです。取り外し可能な矯正装置を使い、顎の成長を促しながら歯並びを整えることが特徴です。
この記事では、床矯正の基本情報からメリット・デメリット、治療期間、費用まで、わかりやすく丁寧に解説します。お子さまの歯並びが気になっている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
床矯正とは
床矯正（しょうきょうせい）とは、主に成長期の子どもを対象とした矯正治療の一つです。取り外し可能な装置を使用し、顎の骨の幅を広げることを目的としています。装置は取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に取り外せます。
歯が並ぶスペースが不足している場合に使用され、顎の成長を利用しながら歯並びを整える治療法です。
床矯正で使用する装置は、歯に直接力を加える仕組みではありません。顎の骨に軽い力をかけることで、徐々に広げていきます。装置の中にはネジが埋め込まれており、定期的にネジを回すことで少しずつ顎を広げていきます。
ただし、装置の装着時間を守らなければ効果が十分に得られないため、子ども自身の協力が不可欠です。
床矯正の目的は、歯がきれいに並ぶためのスペースを確保することです。これにより、将来的に本格的な矯正治療が不要になったり、行う場合でも抜歯を避けられたりします。
床矯正のメリット
床矯正には、他の矯正治療にはないメリットがいくつもあります。特に、成長を利用しながら歯並びや噛み合わせを改善できる点は大きな利点といえるでしょう。
ここでは、床矯正の主なメリットについて詳しく見ていきます。
顎の成長を促しながら歯列を整えられる
床矯正は、顎を広げる力を加えることによって、歯がきれいに並ぶためのスペースを確保する治療法です。顎が小さいことで歯が重なって生えている場合でも、顎の骨が成長する時期に適切な刺激を与えて歯列のアーチを広げてあげれば、自然に歯並びが整いやすくなります。
この方法は、特に成長期の子どもに効果的です。
抜歯を回避できる場合がある
歯が並ぶスペースが不足している場合、歯並びを整えるために抜歯が必要になるケースがあります。
しかし、床矯正では顎を広げてスペースを確保するため、歯を抜かずに歯並びを改善できる可能性があります。歯を抜かずに治療できる点は、身体への負担を軽減するだけでなく、心理的な負担も抑えられます。
違和感が少ない
床矯正の装置は取り外しが可能です。食事や歯磨きの際に外せるため、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。
また、就寝時や学校にいる間は装着する必要がありますが、痛みや違和感が少ないという特徴があります。特に、慣れてしまえば日常生活に大きな支障をきたすことはほとんどありません。
費用を抑えられる
床矯正は、装置自体の費用が他の矯正方法と比べて安価な場合が多く、全体の治療費を抑えることができます。成長期に行う場合、将来的に本格的な矯正治療が不要になる可能性もあるため、長期的な視点で見れば経済的なメリットが大きいといえるでしょう。
床矯正のデメリット
床矯正には多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点も存在します。特に、基本的に装置を使用するのは子どものため、保護者の方のサポートが不可欠です。
以下では、床矯正の主なデメリットについて、具体的に解説していきます。
装置の装着時間を守らないと効果が出ない
床矯正は、装置を毎日一定時間装着することで歯を徐々に動かしていく治療です。そのため、装着時間を守らなければ治療の効果が十分に得られず、治療期間が延びる可能性があります。
特に、装置の装着を子ども自身が嫌がるケースも多く、保護者の方の声かけやサポートが欠かせないと言えるでしょう。装着時間を管理するためには、家庭内での協力体制が重要です。
装置の自己管理が必要
床矯正で使用する装置は取り外しが可能であるため、装着時間を管理する必要があります。また、装置をつけたままお菓子を食べたり、甘いジュースを飲んだりすると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
お子さまが治療の必要性や矯正中の過ごし方、装置の取り扱い方法などを理解しなければならないのです。そのため、お子さまの心身の発達状況によっては、治療が難しいこともあるでしょう。
適応できる症例が限られる
床矯正は、顎の成長を利用して歯並びを整える治療法です。そのため、顎の骨の成長がある程度見込める乳歯列期・混合歯列期の子どもに適応されることが多く、永久歯が生えそろった後や成人では適応できないことがあります。
さらに、重度の不正咬合や骨格的な問題がある場合には、他の矯正治療が必要になるケースもあります。
違和感や痛みが出ることがある
装置を装着した直後には、違和感や軽い痛みを感じることがあります。特に、就寝中の装着に慣れるまでに時間がかかる子どもも多く、初めのうちは不快感を訴えて装置を外したがるかもしれません。
時間とともに慣れていくことが多いため、根気よく続けることが大切です。難しい場合は最初は1時間程度の装着から、少しずつ慣れられるように工夫してあげましょう。
床矯正の適応と対象年齢
床矯正の適応はお子さまの歯並びや顎の成長具合によるため、一概に年齢で判断することはできません。一般的には、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行うことが多いです。
この時期は、顎の骨がやわらかく、成長の可能性があるため、歯を並べるスペースを確保しやすいです。対象年齢の目安としては、6歳から10歳頃でしょう。
ただし、歯並びや顎の状態によっては、早期に治療を始めたほうがよい場合もあります。1歳半検診や3歳児健診などで歯並びのチェックを受けるなど、定期的に口内の状態を確認してもらいましょう。
床矯正の治療期間と費用
床矯正は、子供の成長を利用して顎の骨を広げ、歯を並べるスペースを確保する治療法です。治療期間や費用は、子供の年齢や骨の成長具合、歯の状態によって異なります。
治療期間
床矯正の治療期間は、平均して6か月〜2年程度です。通常、1〜2週間に1回の頻度で装置の調整を行い、少しずつ歯を動かしていきます。
ただし、治療期間には個人差があります。顎の成長速度や骨の状態、装置を装着する時間などにより、治療期間が変動することがあります。
そのため、お子さまの具体的な治療期間の目安は、歯科医師に確認しておきましょう。
費用
床矯正は、基本的には保険適用の対象になりません。そのため、患者さまが治療費を全額自己負担する自由診療になることが一般的です。歯科医院や治療内容によって費用が変わることもありますが、費用相場は10万〜30万円程度でしょう。
また、装置の作成費用や定期的な調整費用などがかかることがあります。治療終了後に保定装置を使用する期間があり、保定装置にも別途費用がかかることが一般的です。
まとめ
床矯正とは、成長期の子どもの顎の発育を利用して、歯を並べるスペースを確保する治療法です。取り外し可能な装置を使用し、顎を広げることで歯並びを改善していきます。
床矯正には、顎の成長を促しながら歯列を整えることができる点や抜歯を回避できる場合がある点など多くのメリットがあります。装置は取り外しが可能で、食事や歯磨きの際に外すことができるため、衛生的に使用できることも特徴でしょう。
ただし、装置の装着時間を守らなければ効果を得られず、治療期間が延びる可能性があります。さらに、装置の自己管理が必要で、適応できる症例が限られることもデメリットといえます。
床矯正を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。
