虫歯の進行度別の治療法を解説!痛みや放置してはいけない理由も
2025年06月24日(火)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

虫歯は誰にでも起こりうる身近な病気ですが、放っておくと深刻な健康被害につながることがあります。初期のうちはほとんど自覚症状がないため「少ししみるけど大丈夫」と軽く考える人も少なくありません。
しかし、虫歯は自然に治ることはなく、進行するにつれて治療が複雑になり、費用や通院回数が増えていきます。
この記事では、虫歯の治療法について詳しく解説します。また、治療時の痛みや虫歯を放置してはいけない理由、そして虫歯を予防するための効果的な方法についても触れていきます。
虫歯の進行度別の治療法

虫歯の進行度は、一般的にC0からC4までの5段階で表されます。それぞれの段階で症状や治療法が異なるので、ここでは段階ごとに治療法を紹介します。
C0(ごく初期の虫歯)の治療法
C0の虫歯は、歯の表面のエナメル質が白く濁るなど、目に見えるわずかな変化はあるものの穴は空いていない状態です。この段階では痛みや自覚症状はほとんどありません。
C0の虫歯には、基本的に歯を削るなどの治療は必要ありません。フッ素塗布や正しいブラッシングを通じて、歯の再石灰化を促し、歯を健康な状態に戻していきます。
C1(エナメル質の虫歯)の治療法
C1はエナメル質が溶け始め、小さな穴ができた状態です。この段階でも痛みはほとんどなく、見た目で黒ずんだ点が確認されることがある程度です。
この段階の治療法としては、虫歯の部分を最小限に削り、レジンという白い詰め物で補う方法が一般的です。麻酔を使わずに処置できるケースが多く、短時間で治療が終わるのが特徴です。定期的なメンテナンスと日頃のケアで、進行を食い止められる可能性もあります。
C2(象牙質の虫歯)の治療法
C2は、虫歯がエナメル質を超えて象牙質まで達している状態です。この段階になると、冷たいものや甘いものがしみたり、痛みを感じたりすることがあります。
C2の治療法としては、虫歯部分をしっかりと削り取り、詰め物で補う方法がとられることが多いです。虫歯の範囲が大きい場合には、麻酔を使って治療することもあります。放置すると歯髄(神経)に達する恐れがあるため、早めの対応が求められます。
C3(歯髄に達した虫歯)の治療法
C3は虫歯が神経にまで到達した状態で、強い痛みや腫れを伴うことがあります。虫歯菌が神経に感染しているため、根管治療(歯の根の治療)が必要になります。
根管治療は、感染した神経を除去し根管内を洗浄・消毒した上で薬剤を詰め、被せ物で補強する治療法で、複数回にわたって行われます。根管治療には時間と手間がかかるため、ここまで悪化する前に治療を受けることが望ましいです。
C4(歯冠が崩壊した虫歯)の治療法
C4になると、歯の大部分が崩れ神経も死んでいます。痛みは一時的におさまることもありますが、実は最も危険な段階です。治っているわけではなく、神経が死んでいて痛みを感じなくなっているだけだからです。
状態によっては根管治療をして歯を残しますが、抜歯をすることもあります。抜歯を選んだ場合、歯を抜いた後にインプラントやブリッジなどの補綴治療も合わせて行う必要があります。ここまで進行すると、治療費や通院回数も増え、患者さまの負担も非常に大きくなります。
虫歯治療は痛い?

虫歯の治療に対して「痛いから怖い」と感じている人は少なくありません。特に、過去に痛い思いをした人にとっては、歯科医院へ行くこと自体がストレスになっているでしょう。
しかし、現在の歯科医療は、技術の進歩により治療時の痛みをできる限り軽減する工夫がなされています。ここでは、治療時の痛みの原因や対策、そして痛みを抑える治療の選択肢について解説します。
治療が痛く感じる原因
虫歯治療が痛く感じるのは、虫歯が神経に近い、またはすでに達している状態で治療したときであることが多いです。C2以降になると象牙質や神経に近づくため、刺激に対して敏感になります。
また、虫歯の進行により歯が炎症を起こしている場合も、麻酔が効きにくく痛みを感じやすくなります。そのため、治療が痛いと感じるかどうかは、虫歯の進行度に大きく影響されます。
麻酔で痛みをコントロールできる
多くの虫歯治療では、局所麻酔を用いて痛みを感じさせないようにしています。麻酔注射そのものの痛みも、近年では極細の針や表面麻酔(ジェルやスプレー)を使用することで、ほとんど感じないレベルまで軽減されています。
さらに、コンピューター制御で麻酔をゆっくり注入する機器を導入している歯科医院もあり、痛みを抑える工夫が進んでいます。そのため、治療で痛みを感じることは少ないといえるでしょう。
麻酔が苦手な方に対しては、笑気麻酔などの方法もあります。笑気麻酔は、笑気ガスを吸引することでリラックスした状態になり、治療中の不安や痛みを感じにくくする方法です。
虫歯を放置してはいけない理由

虫歯は、放置されることの多い病気です。
しかし、虫歯を放置していると確実に悪化し、歯を失ったり全身に影響を及ぼしたりする可能性があります。このセクションでは、虫歯を放置することで起こり得る具体的なリスクについて解説します。
痛みなどの症状が悪化する
初期段階の虫歯は痛みがほとんどないため、気づきにくいです。
しかし、虫歯が進行して神経に達するようになると、ズキズキとした激しい痛みが生じ、食事や会話に支障が出ることもあります。また、夜間に痛みが強まるケースも多く、睡眠の質が下がり、日常生活全体に悪影響を及ぼすこともあります。
痛み止めで一時的にしのぐことはできても、根本的な解決にはならないため、いずれは治療が必要になります。
治療の負担が増す
虫歯が進行すればするほど、治療も複雑になります。初期段階であれば短時間の処置で終わりますが、神経まで達した虫歯では根管治療や被せ物、抜歯などの治療が必要になります。また、治療期間が長くなるため、通院の回数も増えます。
放置すると、精神的・身体的・経済的な負担が大きくなるのは避けられません。
周囲の歯や組織に影響を及ぼす
虫歯菌は一つの歯に留まるわけではありません。放置すれば隣接する歯にも感染が広がり、結果として複数の歯が虫歯になる恐れがあります。また、虫歯によって歯ぐきが炎症を起こすと、歯周病のリスクも高くなります。
虫歯を放置することは、口内全体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
全身にも影響を及ぼす可能性がある
虫歯を放置することで起こる問題は、口の中だけに留まりません。最近の研究では、虫歯や歯周病が心疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎などの全身疾患と関連があることが明らかになっています。
特に、高齢者では、口腔内の衛生状態が命に関わることもあるため、虫歯の早期治療は全身の健康を守るうえでも非常に重要です。
虫歯を予防する方法

虫歯は早期発見・早期治療も大切ですが、最も大切なのは虫歯にならないように予防することです。日々の生活習慣を見直すことで、虫歯のリスクを大きく軽減できます。
ここでは、自宅でできるセルフケアから歯科医院で受けられる予防処置まで、虫歯予防に有効な方法を紹介します。
正しい歯磨きのやり方を身につける
虫歯予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。特にポイントとなるのは、磨き残しを減らすことです。そのためには、歯と歯の間や奥歯の溝、歯と歯茎の境目など、虫歯ができやすい部位を意識して磨くことが大切です。
1日2〜3回のブラッシングに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスを活用することで、より効果的に歯垢(プラーク)を除去できます。また、歯ブラシは1か月に1回を目安に交換しましょう。
食生活を見直す
甘いものを頻繁に食べていると、長時間口の中に糖分が残り、虫歯菌が酸を作り出しやすくなります。特に、ジュースやスポーツドリンクには糖分と酸が多く含まれており、虫歯のリスクが高まります。間食の時間を決めたり、食後は必ず口をゆすいだりすることが大切です。
また、唾液には口内の汚れを流す働きがあります。口内を清潔に保ち、虫歯を予防するためには、ガムなどを噛んで唾液の分泌を促すことも重要です。
フッ素入りのオーラルケアグッズを活用する
フッ素には歯の再石灰化を促進し、虫歯菌が酸を作るのを抑える効果があります。そのため、歯磨き粉などは、フッ素入りのものを使用すると良いでしょう。
また、歯科医院では、より高濃度のフッ素を塗布してもらえます。虫歯になりやすい子どもや高齢者、歯ぐきが下がって根元が露出している方には特に有効です。定期的なフッ素塗布により、虫歯の予防効果はさらに高まります。
定期的に歯科検診を受ける
虫歯は初期段階では自覚症状がないため、自分では気づかないことが多いです。そのため、定期的に歯科検診を受けることが大切です。定期検診を受けていれば、虫歯の兆候を早期に発見し、簡単な処置で改善することができます。
また、歯石除去やクリーニングを通じて、歯垢やバイオフィルムの除去も行えるため、口内を清潔に保つこともできます。一般的には、3か月〜6か月に1回程度を目安に受けることが推奨されています。
まとめ

虫歯は、進行度によって症状や治療法が異なります。初期段階では丁寧なブラッシングや簡単な詰め物で対応できることもありますが、放置すればやがて神経に達し、根管治療や抜歯といった大掛かりな処置が必要になります。
痛みが出る前に治療を受けることで、身体的な負担だけでなく、費用や時間の面での負担も軽減できます。また、虫歯の進行が全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があることも見逃せません。
正しい知識を持ち、早めの対応を心がけることで、自分の歯を守り続けましょう。今の歯の状態が気になる方は、ぜひこの機会に歯科医院を訪れてみてはいかがでしょうか。
虫歯の治療を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。