入れ歯の基礎知識と選び方!種類・費用・お手入れ方法まで
2025年07月16日(水)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

「入れ歯」と聞くと、多くの方がご年配の方を思い浮かべるかもしれません。
しかし、虫歯や歯周病、予期せぬ事故など、歯を失う原因はさまざまで、年齢に関わらず誰にでも入れ歯が必要になる可能性があります。
歯は、おいしく食事をしたり、楽しく会話をしたり、自然な笑顔を作ったりと、私たちの生活に欠かせない大切な体の一部です。その歯を失ったままにしておくと、残った歯並びが乱れたり、うまく噛めなくなることで、心身の健康にまで影響が及ぶこともあります。
この記事では、入れ歯の基本的な役割から、種類や費用、日々のお手入れ方法まで分かりやすく解説します。検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
入れ歯とは

入れ歯とは、歯を失った部分に人工の歯を装着し、噛む・話す・見た目を補うための補綴治療の一つです。
部分入れ歯は残存歯に金属のバネなどで固定し、総入れ歯は歯が全くない場合に歯ぐき全体に装着します。入れ歯の目的は、咀嚼機能や発音の回復だけでなく、歯並びや顔貌の維持、残存歯の負担軽減にもあります。
保存治療や外科治療(インプラントなど)と比較し、外科的侵襲が少ない点が特徴です。
入れ歯が必要になる主なケース
入れ歯が必要となる主なケースは、むし歯や歯周病、外傷によって歯を失った場合です。特に歯周病は、日本人の成人の多くが罹患しており、進行すると歯が抜け落ちることもあります。
歯を失ったまま放置すると、噛み合わせの乱れや顎の骨の吸収が進行し、さらなる健康被害が生じるリスクがあります。
入れ歯の種類と特徴を比較

ここでは、入れ歯の主な種類や特徴について詳しく解説し、選択のポイントをお伝えします。
部分入れ歯と総入れ歯の違い
部分入れ歯は、歯が一部残っている場合に使用され、残存歯にバネ(クラスプ)などで固定します。これにより、咀嚼機能の補助や歯並びの維持が期待できます。
一方、総入れ歯は全ての歯を失った場合に用いられ、歯ぐき全体を覆う形状です。総入れ歯は吸着力によって安定しますが、顎の骨や粘膜の状態によって適合や使用感が異なる場合があります。
レジン床義歯・金属床義歯・ノンクラスプデンチャーの特徴
レジン床義歯は、保険適用で作製できるプラスチック製の入れ歯で、費用を抑えられる反面、厚みや耐久性に限界があります。
金属床義歯は、床部分に金属を使用することで薄く軽量に仕上がり、熱伝導性も良好です。
ノンクラスプデンチャーは金属のバネを使わず、見た目が自然で審美性に優れていますが、適応症例や耐久性に注意が必要です。
自分に合った入れ歯の選び方
自分に合った入れ歯を選ぶには、何を優先したいかを明確にすることが重要です。
費用を最も重視するなら保険適用のレジン床義歯、見た目の自然さを求めるならノンクラスプデンチャー、そして食事の楽しみや快適な装着感を望むなら金属床義歯が主な選択肢となるでしょう。
もちろん、残っている歯の有無によって部分入れ歯か総入れ歯かという基本的な選択が決まります。
入れ歯のメリット・デメリット

ここでは、入れ歯の特徴や注意点について詳しく解説します。
入れ歯を使用するメリット
入れ歯の最大の利点は、比較的短期間で失った歯の機能を回復できる点です。外科手術が不要なため、全身疾患を持つ方や高齢者でも適応しやすいことが特徴です。
また、取り外しが可能なため、セルフケアや清掃が行いやすく、口腔内の衛生管理にも配慮できます。
さらに、保険適用の範囲内で作製できる場合もあり、経済的な負担を抑えられる点もメリットです。
入れ歯のデメリット
一方で、入れ歯には装着時の違和感や痛み、発音や咀嚼への影響が生じる場合があります。
特に部分入れ歯では、金属のバネが隣接する健康な歯に負担をかけることがあり、長期的には歯周病や虫歯のリスクが高まる可能性も指摘されています。
また、入れ歯の適合が悪くなると、口内炎や義歯性の歯肉炎が起こることもあります。これらのトラブルを防ぐためには、定期的な調整や正しい清掃方法の実践が重要です。
インプラントやブリッジとの比較
入れ歯以外の補綴治療としては、インプラントやブリッジが挙げられます。
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む外科治療で、固定性が高く違和感が少ない一方、手術が必要で費用も高額になる傾向があります。
一方ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って土台にし、橋をかけるように固定する方法です。取り外しの手間がない反面、健康な歯を削る必要があるという点が入れ歯との大きな違いです。
入れ歯の費用と保険適用の範囲

ここでは、保険診療と自費診療それぞれの入れ歯の費用目安や特徴、さらに費用以外で考慮すべきポイントについて詳しく解説します。
保険診療で作れる入れ歯の費用目安
保険診療で作成できる入れ歯は、主にレジン(プラスチック)製の部分入れ歯や総入れ歯です。部分入れ歯の場合は3千円から1万円程度、総入れ歯でも1万円一般的です。
保険適用のため、最低限の機能回復を目的とした設計となり、材料やデザインの選択肢は限られます。
自費診療の入れ歯とその費用相場
自費診療では、金属床義歯やシリコン義歯など、より快適さや審美性を追求した入れ歯が選択可能です。
費用は部分入れ歯で15万円〜50万円、総入れ歯では20万円〜100万円程度が目安とされています。
自費診療の場合、使用する材料や技工技術、設計の自由度が高く、個々の口腔状態や希望に合わせたオーダーメイドの治療が可能です。
費用以外に考慮すべきポイント
入れ歯選びでは、費用だけでなく、噛み心地・見た目・装着感・メンテナンスのしやすさも重要です。
また、歯周病や残存歯の状態によっては、保存治療や外科治療(抜歯、歯周外科)、インプラントなど他の補綴治療も検討する必要があります。
入れ歯のお手入れと長持ちさせるコツ

ここでは、入れ歯を清潔に保ち、トラブルを防ぐための具体的な方法や、日常生活での注意点について詳しく解説します。
入れ歯の正しい洗浄方法と洗浄剤の選び方
入れ歯は毎食後に取り外し、流水下で専用のブラシを使って丁寧に洗浄することが基本です。食べかすやプラークが付着したまま放置すると、口臭や感染症リスクが高まります。
市販の入れ歯洗浄剤は、素材に合ったものを選ぶことが大切です。
金属床や部分入れ歯の場合、成分によっては変色や腐食を起こすことがあるため、購入前に歯科医師や認定歯科衛生士に相談すると安心です。
日常生活で気をつけること
入れ歯を長持ちさせるには、強い力で噛むことや硬い食べ物の摂取を控えることが重要です。また、入れ歯を装着したまま寝ると、歯ぐきが圧迫されて炎症や歯周病のリスクが高まる場合があります。
就寝時は必ず外し、口腔粘膜を休ませることが推奨されています。入れ歯の適合状態は時間とともに変化するため、違和感や痛みが出た場合は無理に使い続けず、早めに歯科医院を受診しましょう。
入れ歯の保管方法と注意点
入れ歯は乾燥に弱く、乾いたまま放置すると変形やひび割れの原因となります。就寝時や未使用時は、必ず水や専用の保管液に浸しておきましょう。
ただし、熱湯やアルコール消毒は素材を傷め、変形の原因となるため避けてください。保管容器も定期的に洗浄し、清潔に保つことが大切です。
入れ歯の調整・修理・交換が必要なサイン

ここでは、入れ歯が合わなくなる主な原因や、痛み・違和感が生じた際の対処法、そして歯科医院での調整・修理・交換の流れについて詳しく解説します。
入れ歯が合わなくなる主な原因
入れ歯が合わなくなる背景には、顎の骨や歯ぐきの形状変化が大きく関わっています。歯を失うと、その部分の骨が徐々に吸収されて痩せていきます。これにより、入れ歯と歯ぐきの間に隙間が生じ、フィット感が悪くなります。
また、日常的な咀嚼や会話による摩耗や、入れ歯自体の変形・破損も原因となります。特に部分入れ歯の場合、残存歯の動揺や歯周病の進行も適合不良の一因となるため、定期的なメンテナンスが重要です。
痛みや違和感がある場合の対処法
入れ歯使用中に痛みや違和感を覚えた場合、無理に使い続けることで口腔内に傷や炎症が生じることがあります。まずは入れ歯を外して口腔内を清潔に保ち、痛みが強い場合はやわらかい食事を選ぶなど負担を減らしましょう。
市販の入れ歯安定剤を一時的に利用する方法もありますが、根本的な解決にはなりません。
症状が続く場合は、歯科医院を早めに受診し、具体的な症状や発生時期、どの部分に違和感があるかを詳しく伝えることが大切です。
歯科医院での調整・修理・交換の流れ
歯科医院では、まず口腔内の状態や入れ歯の適合状況を詳細に診査します。必要に応じてレントゲン撮影や模型作製を行い、原因を特定します。
調整では、入れ歯の裏打ちや噛み合わせの修正、破損部分の修理などが行われます。入れ歯の劣化や顎の変化が大きい場合は、新しい入れ歯への交換も検討されます。
まとめ

入れ歯は歯を失った際の機能回復に役立つ装置で、部分入れ歯や総入れ歯など複数の種類があり、素材や構造によって特徴や費用が異なります。
保険適用範囲も限られているため、選択時は費用や見た目、使い心地を比較することが大切です。
入れ歯治療を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。