インプラント周囲炎とは?原因・症状・治療と再発防止のポイントを徹底解説
2025年08月30日(土)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

インプラント治療後、「歯ぐきが少し腫れているかも」「歯磨きで血が出た」など、気になることはありませんか。
その症状は、インプラントの歯周病とも呼ばれる「インプラント周囲炎」のサインかもしれません。この病気は自覚症状が乏しいまま進行し、放置すると最悪の場合、せっかく入れたインプラントが抜け落ちてしまうため、早期発見が非常に重要です。
この記事では、インプラント周囲炎の主な原因や症状、ご自身でできる予防法について詳しく解説します。治療法やセルフチェックのポイントもご紹介しますので、大切なインプラントを長持ちさせたい方はぜひ参考にしてください。
インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎とは、インプラントを支える骨や周囲の組織に炎症が生じる状態を指します。インプラントの周囲に細菌が繁殖し、歯ぐきの腫れや出血、さらに進行すると骨が溶けてしまうこともあります。
初期には自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行することがある点に注意が必要です。
インプラント周囲炎と歯周病の違い
インプラント周囲炎と歯周病は、どちらも細菌感染による炎症ですが、対象となる部位が異なります。歯周病は天然の歯とその周囲組織に発生するのに対し、インプラント周囲炎は人工歯根であるインプラントの周囲に発生します。
また、インプラントには天然歯のような歯根膜がないため、炎症が進行しやすい特徴があります。
インプラント周囲粘膜炎との違い
インプラント周囲粘膜炎は、インプラントの周囲粘膜だけに炎症がとどまっている状態です。骨の吸収は見られませんが、放置するとインプラント周囲炎に進行するリスクがあります。
インプラント周囲炎の原因

インプラント周囲炎は、インプラント治療後に発生することがある炎症性疾患で、その原因や予防法について詳しく解説します。
細菌感染とプラークの影響
インプラント周囲炎の主な原因は、細菌感染とプラークの蓄積です。天然歯と同様に、インプラントの周囲にもプラークが付着しやすく、適切に除去されないと歯ぐきの炎症や骨の吸収が進行する可能性があります。
特に、インプラント周囲の組織は天然歯に比べて防御機能が弱いため、細菌の影響を受けやすいとされています。
セルフケア不足によるリスク
毎日の歯磨きやフロスなどのセルフケアが不十分だと、プラークや歯石がたまりやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
インプラントは天然歯と構造が異なるため、専用のブラシや清掃器具の使用が推奨されることもあります。
喫煙や糖尿病など全身的な要因
喫煙や糖尿病などの全身的な健康状態も、インプラント周囲炎の発症リスクを高める要因です。喫煙は血流を悪化させ、組織の治癒を妨げることがあります。
糖尿病の場合は、免疫力の低下や傷の治りが遅くなることで、炎症が進行しやすくなると考えられています。
歯ぎしり・食いしばりの影響
歯ぎしりや食いしばりの習慣があると、インプラントやその周囲の組織に過度な負担がかかり、炎症や骨の吸収が進みやすくなる場合があります。
必要に応じてマウスピースの使用を検討することも大切です。
インプラント治療前後の注意点
インプラント治療を受ける前には、口腔内の衛生状態を整えることが重要です。
また、治療後も定期的な歯科受診やプロフェッショナルケアを受け、日々のセルフケアを継続することで、インプラント周囲炎の予防につながります。
インプラント周囲炎の症状と進行

インプラント周囲炎は、インプラント周辺の歯ぐきや骨に炎症が起こる疾患であり、早期発見と適切な対応が重要です。
初期症状と進行した場合の変化
インプラント周囲炎の初期には、歯ぐきが赤く腫れたり、軽い出血が見られることがあります。進行すると、歯ぐきの腫れが強くなり、膿が出たり、インプラントがぐらつくこともあります。
さらに放置すると、インプラントを支える骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントの脱落につながる可能性があります。
インプラント周囲炎のセルフチェック方法
ご自身でできるセルフチェックとしては、インプラント周囲の歯ぐきの色や腫れ、出血の有無を観察することが大切です。
また、歯ぐきから膿が出ていないか、口臭が強くなっていないかも確認しましょう。違和感や痛みが続く場合は、早めに歯科医師に相談することが推奨されます。
インプラントの寿命への影響
インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支える骨が失われ、インプラント自体の寿命が短くなることが考えられます。
定期的なメンテナンスや早期の治療介入によって、インプラントの長期的な安定を目指すことが重要です。日々のセルフケアと歯科医院でのチェックを継続することが、インプラントを長持ちさせるためのポイントです。
インプラント周囲炎の予防方法

インプラント周囲炎を予防するためには、日々のセルフケアや定期的な歯科医院でのメンテナンス、そして生活習慣の見直しが重要です。
毎日のセルフケアのコツ
インプラント周囲炎の予防には、ご自身での丁寧な歯磨きが欠かせません。歯ブラシは毛先が柔らかいものを選び、インプラント周囲の歯ぐきや歯と歯の間も意識して磨くことが大切です。
また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、細かな汚れやプラークを除去しやすくなります。磨き残しがないよう、鏡で確認しながらケアを行うことも効果的です。
歯科医院での定期メンテナンス
セルフケアだけでは落としきれない汚れや、初期の炎症を早期に発見するためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが推奨されます。
専門の器具を使ったクリーニングや、インプラント周囲の状態チェックを受けることで、トラブルの早期発見・対応につながります。
生活習慣の見直しポイント
インプラント周囲炎のリスクを下げるためには、生活習慣にも注意が必要です。喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、炎症を起こしやすくするため、禁煙を心がけることが望ましいです。
また、バランスの良い食事や十分な睡眠も、口腔内の健康維持に役立ちます。ストレスを溜め込まないことも、免疫力の維持に重要です。
インプラント周囲炎の治療方法

インプラント周囲炎の治療方法について、非外科的治療から外科的治療、治療の流れや期間、費用の目安まで詳しく解説します。
非外科的治療(クリーニング・薬剤)
初期のインプラント周囲炎では、歯科衛生士や歯科医師による専門的なクリーニングが行われます。
インプラント周囲の歯垢や歯石を丁寧に除去し、必要に応じて抗菌薬や消毒薬を用いて炎症のコントロールを図ります。
日常のセルフケア指導も重要で、正しいブラッシング方法や補助用具の使用方法について説明を受けることが一般的です。
外科的治療(手術が必要な場合)
非外科的治療で改善が見られない場合や、炎症が進行している場合には外科的治療が検討されます。
具体的には、インプラント周囲の炎症組織の除去や、骨再生療法などが行われることがあります。
治療の期間の目安
治療はまず診断と評価から始まり、非外科的治療を数週間から数か月実施します。改善が見られない場合は外科的治療に移行します。
全体の治療期間は症状や治療内容によって異なりますが、数か月を要することもあります。定期的な経過観察とメンテナンスが重要です。
治療費の目安と保険適用の有無
インプラント周囲炎の治療費は治療内容やクリニックによって異なります。非外科的治療は比較的費用が抑えられる傾向がありますが、外科的治療や再生療法は高額になる場合があります。
基本的にインプラント治療は自費診療となるため、保険適用外となるケースが多いですが、症状や治療内容によっては一部保険が適用される場合もあるため、事前に確認しましょう。
治療後に気をつけたいこと

親知らずを抜いた後は、適切なケアや知識が再発防止や早期回復につながるため、治療後に気をつけたいポイントについて詳しく解説します。
再発を防ぐための日常ケア
親知らずの抜歯後は、傷口の感染や炎症を防ぐために、うがい薬や歯磨きを指示通りに行うことが大切です。強いうがいや指で傷口を触ることは避け、食事も刺激の少ないものを選ぶようにしましょう。
また、喫煙や飲酒は治癒を妨げる場合があるため、医師の指示に従って控えることが望ましいです。
治療後の定期的なチェック
抜歯後は一時的に痛みや腫れが出ることがありますが、通常は数日で落ち着きます。しかし、長引く痛みや出血、違和感がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
定期的な診察を受けることで、傷の治り具合や周囲の歯の健康状態も確認でき、トラブルの早期発見につながります。
まとめ

インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に炎症が生じる状態で、歯周病と似た経過をたどるとされています。
主な原因には、プラークや歯石の蓄積、口腔ケア不足、喫煙などが挙げられます。症状としては、歯ぐきの腫れや出血、進行するとインプラントのぐらつきが見られることもあります。
予防には、定期的な歯科受診や丁寧なブラッシングが重要とされ、治療ではクリーニングや薬剤の使用が行われる場合があります。
治療後も再発防止のために日々のケアが大切と考えられています。
インプラント治療を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。