顎関節症とは?原因・症状・セルフケア・治療法まで徹底解説

2025年09月13日(土)

歯のコラム

こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

顎関節が痛い女性

食事やあくびの際に顎がカクンと鳴ったり、口を開けようとするとこめかみが痛んだりした経験はありませんか。

その違和感は、多くの方が悩む「顎関節症」のサインかもしれません。顎関節症は、歯ぎしりやストレス、何気ない生活習慣が積み重なって起こることが多く、放置すると食事や会話に支障をきたす可能性もあります。

この記事では、顎関節症の主な症状や原因、そしてご自身でできる予防・セルフケア方法について詳しく解説します。歯科医院で行われる治療法もご紹介しますので、顎の不調にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

顎関節症とは

顎関節のイメージ

顎関節は、頭蓋骨と下あごの骨をつなぐ関節です。口を開けたり閉めたりする際などに、スムーズな動作をサポートしています。関節円板というクッションの役割を果たす組織や、複数の筋肉によって支えられています。

顎関節症は、顎関節やその周囲の筋肉に痛みや違和感が現れる状態を指します。口の開閉時にカクカクしたり、音が鳴ったり、口が開きにくくなったりします。原因は一つではなく、関節や筋肉の使い過ぎ、歯ぎしりや食いしばり、ストレスなどが複合的に関与していると考えられています。

また、症状の程度や現れ方に個人差があり、自然に改善する場合もあれば、治療が必要となる場合もあります。

どんな人がかかりやすいか

顎関節症は、年齢や性別を問わず発症する可能性がありますが、特に20〜40代の女性に多い傾向がみられます。

ストレスを感じやすい方や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用で姿勢が悪くなりがちな方は、顎関節やその周囲の筋肉に負担がかかりやすく、発症リスクが高まるとされています。

顎関節症の主な原因

寝ているときに食いしばる女性

顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に負担がかかることで発症すると考えられています。具体的には、歯ぎしりや食いしばり、頬杖をつく癖、硬いものを好んで食べる習慣などが挙げられるでしょう。

ただし、一つの原因で顎関節症になることは少ないとされています。複数の要素が組み合わさって顎関節に負担がかかり、関節や筋肉に炎症を引き起こすのです。また、噛み合わせの異常や歯の欠損、外傷なども原因の一つとされています。

生活習慣やストレスも関係ある?

近年では、ストレスや精神的な緊張が顎関節症の発症や悪化に関与していることが指摘されています。
ストレスが高まると無意識に歯を食いしばったり、顎の筋肉が緊張しやすくなったりするため、症状が現れやすくなると考えられています。

長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用など、現代の生活習慣も顎に負担をかける要因となる場合があります。

顎関節症の症状とセルフチェック方法

口を開けて顎関節の状態を確認する男性

顎関節症の症状や自分でできるチェック方法、放置した場合のリスクについて詳しく解説します。

代表的な症状(痛み・開口障害・関節音)

顎関節症の主な症状には、顎の関節や周囲の筋肉に感じる痛み、口を開けにくい、または開けるときに引っかかるような違和感、そして「カクカク」「ジャリジャリ」といった関節音が挙げられます。

これらの症状は、食事や会話など日常生活の中で気づくことが多く、症状の程度や現れ方には個人差があります。

自分でできる顎関節症のチェック方法

ご自身で顎関節症かどうかを簡単に確認する方法としては、口をゆっくりと開閉して痛みや違和感がないか、指2〜3本分の幅まで口が開くか、開閉時に関節音がしないかなどをチェックすることが挙げられます。また、顎の動きが左右で違う、噛み合わせに違和感がある場合も注意が必要です。

ただし、自己判断だけで確定することは難しいため、症状が続く場合は医療機関への相談が推奨されます。

顎関節症を放置したらどうなる?

顎関節症を放置すると、痛みや開口障害が慢性化し、食事や会話に支障をきたすことがあります。また、症状が悪化すると顎の動きがさらに制限されたり、頭痛や肩こりなど全身症状が現れることも報告されています。

顎関節症の予防とセルフケアの方法

爪をかじる女性

顎関節症の予防やセルフケアについて、日常生活で気をつけるポイントや自宅でできる方法、避けるべき習慣について解説します。

日常生活で気をつけるポイント

顎関節症の予防には、日常のちょっとした習慣が大切です。食事の際は片側だけで噛むのではなく、左右均等に噛むことを意識しましょう。

また、頬杖をつく、うつ伏せで寝るなど顎に負担のかかる姿勢は避けることが望ましいです。ストレスや緊張が原因で歯を食いしばることもあるため、リラックスする時間を持つことも大切です。

自宅でできる簡単なセルフケア

自宅でできるセルフケアとしては、顎の筋肉を優しくマッサージしたり、温めることで血流を促す方法があります。口を大きく開けすぎず、無理のない範囲でゆっくりと開閉する運動も有効とされています。

また、硬い食べ物やガムの過剰な咀嚼は控え、顎に負担をかけない食生活を心がけることが推奨されます。

やってはいけない習慣

顎関節症の悪化を防ぐためには、歯ぎしりや食いしばり、長時間のガム噛み、爪を噛むなどの癖を意識してやめることが重要です。また、痛みや違和感がある場合に無理に大きく口を開けたり、自己流で顎を動かすことは避け、症状が続く場合は早めに歯科や医療機関に相談することが望ましいです。

顎関節症の診断と治療法

治療期間や費用の目安のイメージ

顎関節症が疑われる場合、まずは歯科や口腔外科を受診しましょう。症状によっては、耳鼻咽喉科や整形外科が対応することもあります。診断の際は、問診や触診から、口の開閉動作を確認します。必要に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査を実施することもあります。

主な治療法

治療法は症状の程度や原因により異なります。痛みや炎症の緩和を目的とした薬物療法、顎や首周りの筋肉の緊張をほぐす理学療法、マウスピース(スプリント)を使って顎関節への負担を軽減するスプリント療法などが一般的です。

重症例では外科的治療が検討されることもありますが、多くは保存的治療で改善を目指します。

治療期間や費用の目安

治療期間は個人差が大きく、数週間から数か月かかることが多いです。費用については、保険診療が適用される場合がほとんどですが、治療内容や医療機関によって異なります。

初診料や検査費用、スプリント作製費などを含め、数千円から1万円程度が一般的な目安となります。詳細は受診時に医療機関で確認することが大切です。

治療後の日常生活と再発予防のポイント

治療後の日常生活と再発予防のポイントのイメージ

顎関節症の治療後、快適な日常生活を送るための注意点や再発予防のポイントについて解説します。

治療後に気をつけること

治療後は、顎関節や周囲の筋肉に過度な負担をかけないことが大切です。無理に大きく口を開けたり、硬い食べ物を噛むことは避けましょう。

また、長時間同じ姿勢でいると顎に負担がかかるため、こまめに姿勢を変えることも意識してください。歯科医師や医療機関から指導されたセルフケアやリハビリも、継続して行うことが重要です。

再発を防ぐための生活習慣

再発予防には、日常生活の中で顎に負担をかけない習慣が役立ちます。例えば、食事の際には左右均等に噛むことや、ガムや硬いお菓子などを控えることが挙げられます。

また、ストレスが原因で歯ぎしりや食いしばりが起こる場合もあるため、リラックスできる時間を持つことや、就寝時にマウスピースを使用することも効果的とされています。

顎関節症と上手に付き合うコツ

顎関節症は再発しやすい傾向があるため、症状が軽減しても油断せず、日々のセルフケアを続けることが大切です。違和感や痛みが再び現れた場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

自分の症状や体調に合わせて無理のない範囲で生活習慣を見直し、医師の指導を守ることが、顎関節症と長く上手に付き合うためのポイントです。

まとめ

笑顔で振り返る女性

顎関節症は、口を開けたときの痛みや音、開きにくさが主な症状で、その原因は歯ぎしりや食いしばり、ストレス、頬杖などの何気ない生活習慣といった、複数の要因が複雑に絡み合って発症します。

多くのケースでは、顎に負担をかけない生活習慣を意識し、セルフケアを実践することで症状の改善が期待できます。

しかし、痛みが強い場合や症状が続く場合は、自己判断せずに歯科や口腔外科などの専門機関に相談することが大切です。日々のケアと専門的な治療を組み合わせ、顎関節症と上手に付き合っていきましょう。

顎関節症治療を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。

当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。