顎関節症は何科を受診すればよい?受診前に確認しておきたいこと
2026年06月06日(土)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

顎関節症は、口を開けるとカクカク音がする・口が大きく開かない・顎が痛いといった症状があらわれる病気です。放置すると、食事や会話に支障が出る恐れがあるため、適切に治療する必要があります。
この記事では、顎関節症の原因や症状、何科を受診すれば良いのか、治療法などについて詳しく解説します。
目次
顎関節症とはどのような病気?

顎関節症は、顎の関節やその周辺に不調が現れる病気で、日常生活にさまざまな影響を与えることがあります。ここでは、顎関節症とはどのような病気なのかを詳しく解説していきます。
顎関節症の主な症状
顎関節症は、顎やその周囲にさまざまな症状を引き起こす病気です。代表的な症状としては、顎の開閉時に音が鳴る、口が大きく開かない、顎を動かすと痛むなどが挙げられます。
これらの症状は、一時的に現れて自然に治まることもあれば、慢性的に続くこともあります。また、あごの違和感や疲れ、首や肩のこり、頭痛、耳鳴りなど、全身の不調と関連して現れることもあります。
放置すると症状が慢性化したり、全身に影響を及ぼしたりすることがあるため、早い段階で気づいて悪化する前に適切な対処を行う必要があります。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は一つではなく、さまざまな要因が複雑に関係しています。
もっともよく知られているのが、歯ぎしりや食いしばりといった習癖です。これらの動作は就寝中に無意識のうちに行われることが多く、強い力が長時間加わるため顎関節に負担がかかります。
また、ストレスも大きな要因とされています。ストレスがたまると、無意識に筋肉が緊張し、顎の筋肉も硬直しやすくなります。その結果、関節周辺に負担がかかり、痛みや違和感が生じることがあります。日常生活の中での姿勢の悪さや頬杖、片側での咀嚼なども、顎のバランスを崩す原因となります。
さらに、噛み合わせの異常や歯の欠損、被せ物や詰め物の高さが合っていない場合も、顎関節に不均等な力が加わって不調につながることがあります。
顎関節症は生活習慣や身体の使い方、心理的要因が複雑に絡み合って起こる病気であるため、原因を見極めて総合的に対処することが大切なのです。
顎関節症は何科を受診すればよい?

顎関節症の症状が現れた際、まずは何科を受診すればよいのか悩む方は少なくありません。以下に、顎関節症の診療に対応している主な診療科を紹介します。
歯科
顎関節症で最も一般的に相談されるのが歯科です。歯科では、噛み合わせのバランスや歯ぎしり・食いしばりの有無など、口腔内の状態を総合的にチェックしてくれます。治療としては、歯列の調整やスプリント療法(マウスピースの装着)などが行われ、関節や筋肉にかかる負担を軽減して症状の改善を目指します。
症状が軽度で、日常生活に大きな支障がない場合でも、歯科での早期診断・軽度の治療によって悪化を防ぐことが可能です。食事中や会話の際、、顎の痛みや違和感が気になる場合は一度歯科を受診してみると良いでしょう。
口腔外科
歯科の中でも顎関節の診断・治療に特化した口腔外科を受診すると、より専門的な対応が期待できます。口腔外科は、歯やあご、口の中全体に関する外科的な処置を専門とする診療科です。
特に、以下のような症状がある場合には、口腔外科への相談を検討すると良いかもしれません。
- あごを開けるときに強い痛みが出る
- 口が大きく開かない
- あごの動きがスムーズでない
- あごの関節に圧迫感や違和感がある
耳鼻科
顎関節は耳のすぐ近くに位置しているため、顎関節の不調が耳の奥の痛みや耳鳴り、さらにはめまいといった症状として現れることがあります。耳や鼻の症状がある場合、耳鼻科の受診も検討しましょう。
耳鼻科では、中耳炎や外耳道炎など、耳の疾患が隠れていないかどうかを確認できます。そのうえで、原因が顎関節症にある可能性があれば、歯科や顎関節症専門の医療機関への受診を勧められることもあります。
整形外科
顎関節症は、顎だけでなく首や肩など全身の骨格や筋肉の不調が関係して発症している場合があります。こうしたケースでは、整形外科で姿勢のバランスや筋肉の緊張状態を診てもらうとよいでしょう。
整形外科では、画像検査や運動療法を通じて、全身の構造から原因を探ることができます。特に肩こりや首の痛みを伴う方は、整形外科での診断と治療が役立つ場合があります。
顎関節症の治療法

顎関節症の治療は、原因や症状の程度に応じて段階的に進められます。多くの場合、初期の段階では保存的な治療が選択され、症状の改善を目指します。
ここでは、顎関節症の主な治療法をご紹介していきます。
スプリント療法
スプリント療法はマウスピースを使用した治療法で、歯ぎしりや食いしばりなどで関節に過度な負担がかからないようにし、筋肉の緊張をやわらげる効果があります。症状が軽い場合は、この治療だけで改善を目指せることも少なくありません。
理学療法
理学療法では、顎の筋肉や関節周囲の組織をやわらかくしたり、本来の動きを取り戻したりするための治療が行われます。あごの動かし方を正しくする運動療法や、筋肉の緊張を和らげるマッサージ、温熱療法などが代表的です。
専門的なリハビリによって、あごの開閉がスムーズになったり、痛みが和らいだりすることが期待できます。
薬物療法
薬物療法では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が最も一般的に使用されます。炎症や痛みを抑える目的で処方され、急性期の症状緩和に有効です。痛みが強い場合は、筋弛緩薬が使用されることもあります。
また、精神的なストレスが関与していると考えられる場合には、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。
ただし、薬物療法はあくまで症状の一時的な緩和を目的としており、根本的な問題を治す治療ではありません。そのため、他の治療法と合わせて行うことが多いです。
生活習慣・癖の改善
顎関節症は、日常生活のなかにある無意識の癖や習慣が原因となることも多いため、そうした要因を見直すことは再発防止や症状の緩和につながります。
たとえば、頬杖をつく、片側だけで噛む、猫背で長時間過ごすといった習慣は、顎関節に偏った負担をかけます。また、ストレスがたまると、歯ぎしりや食いしばりといった癖が出ることもあります。
生活習慣の改善は、すぐに結果が出るものではありませんが、意識を変えることで長期的な安定が期待できます。日常の動作や姿勢に気を配り、口元だけでなく全身のバランスを整えることが、顎の健康を守る第一歩となります。
顎関節症の治療を行う歯科選びのポイント

顎関節症の治療は歯科で行われることが一般的ですが、どの歯科医院でも対応できるとは限りません。ここでは、適切な歯科医院を選ぶためのポイントをご紹介します。
顎関節症の治療実績があるか確認する
顎関節症は歯科領域のなかでも専門的な分野であり、すべての歯科医院が十分な対応を行っているわけではありません。治療の質を見極めるためには、歯科医院のホームページなどで、顎関節症の診療実績がどの程度あるのかを確認しましょう。
また、歯科医師が学会に所属しているかどうか、専門的な研修を受けているかどうかも大きな判断材料になります。さらに、実際に通院した方の口コミや体験談を参考にすることも重要です。
治療実績が豊富な歯科医院であれば、より安心して治療を進めることができます。
カウンセリングや説明が丁寧か
顎関節症の原因や症状は個人差が大きいため、患者さま一人ひとりと丁寧に向き合い、その人に合った治療方法を提案できる歯科医院が理想です。
初診時に時間をかけて症状を聞き取り、原因をわかりやすく説明してくれるかどうかが大きなポイントでしょう。また、治療の選択肢やメリット・デメリットをしっかり伝えてくれるなど、患者さまが納得して進められる姿勢があるかどうかも確認しておくべきです。
通いやすさと予約の取りやすさ
治療は1回で終わることは少なく、定期的な通院が必要になるケースがほとんどです。そのため、自宅や職場から通いやすい場所にある歯科医院を選ぶと、無理なく通院を継続しやすくなります。
また、予約が取りづらいクリニックでは通院の間隔が空き、治療効果に影響を与える恐れもあります。土日診療や平日の夜間診療を行っているかなど、自分の生活スタイルに合った通院先を選びましょう。
まとめ

顎関節症は、あごの痛みや口が開きにくいなどの症状が現れる病気で、適切な診断と治療が重要です。歯科・口腔外科をはじめ、症状に応じて耳鼻科や整形外科を受診することも有効です。早めの診察で改善が見込めるため、症状を感じたら早めに受診しましょう。
顎関節症にお悩みの方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

■この記事の監修者
山本 司将
経歴
- 1998年 愛知学院大学歯学部 卒業
- 2002年 愛知学院大学大学院 歯学研究科(歯科補綴学専攻) 修了
- 2002年~2010年 愛知学院大学歯学部 補綴科 講師(在籍期間 8年3カ月)
所属機関・資格・活動等
- 日本補綴歯科学会 指導医(登録番号 第1210号)
- 日本補綴歯科学会 代議員(東海支部)
- 博士(歯学)歯甲344号
- 補綴歯科専門医 (6-0068号)一般社団法人 日本歯科専門医機構 認定
- 第1種滅菌技師(認定番号 第14CSS027号)一般社団法人 日本医療機器学会 認定
- 第一種歯科感染管理者 NPO法人 日本・アジア口腔保健支援機構 【JAOS】 認定
- 幸田町立中央小学校学校医
- 愛知学院大学歯学部 招聘教員
- 三河歯科衛生専門学校 非常勤講師
- 補綴分野・感染管理分野でのセミナー講師を多数担当