奥歯を入れ歯にするメリットとデメリット!選ぶときのポイントも
2026年07月04日(土)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

入れ歯は、歯を失った際にその機能や見た目を補う手段のひとつとして多くの人に選ばれています。奥歯は咀嚼や発音、顔の輪郭維持などさまざまな役割を担っており、その重要性は非常に高いです。奥歯を失ったまま放置すると、噛みにくいだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。
この記事では、奥歯を失うとどのような影響があるのか、奥歯の代わりに入れ歯を入れるメリットやデメリットは何かを解説します。奥歯を失ってお困りの方や、入れ歯を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
奥歯を失うとどんな問題がある?

奥歯を失ったまま放置すると、口腔内だけでなく全身の健康や生活の質にも悪影響を及ぼします。ここでは、奥歯を失うことで生じる主な問題について解説します。
噛む機能が低下する
奥歯は食べ物をしっかり噛み砕く役割を持つ重要な歯です。奥歯を失うと食べ物を十分に噛めなくなり、胃腸に負担がかかる可能性もあります。また、噛む力が弱くなることで、やわらかいものばかりを選ぶようになり、栄養バランスが偏る可能性もあります。
しっかり噛めることは、全身の健康を保つためにも欠かせないのです。
顎関節に負担がかかる
奥歯がなくなると、食べ物を噛む力を前歯や片側の歯だけで支えることになり、噛み合わせのバランスが崩れます。その結果、顎関節に負担が集中し、顎の関節に痛みや違和感が生じることがあります。
放置すると、口が開けにくくなったり、顎がカクカク音を立てたりする顎関節症につながることもあります。見た目にはわかりにくい変化ですが、毎日の食事や会話に支障をきたす原因になるため注意が必要です。
発音しにくくなる
奥歯の喪失は、発音にも影響を及ぼすことがあります。特に、サ行やタ行などの音は、舌と上顎、歯との関係によって発音するため、奥歯がないことで舌の動きにズレが生じると、発音が不明瞭になる可能性があります。会話が聞き取りにくくなると、仕事や日常生活でのコミュニケーションに支障が出ることも考えられるでしょう。
見た目に影響が出る
奥歯は笑ったときや会話中にはっきり見えることは少ないものの、顔の輪郭や口元の印象に影響を与えています。奥歯がなくなると、頬がこけて見えたり、口元が老けた印象になったりすることがあるのです。
見た目は単なる美しさだけではなく、社会的な印象や自分自身の自信にも関わる大切な要素です。奥歯の欠損を放置せず、早めに対処することが、自然な口元を保つためにとても大切といえるでしょう。
生活の質(QOL)が低下する
奥歯の喪失は、日常生活の質にも大きく影響します。たとえば、食事を十分に楽しめなくなることで、外食や家族との食卓がストレスに感じるようになるかもしれません。また、発音のしにくさや見た目への不安が、人と話すことや外出を避ける原因となるケースもあります。
こうした積み重ねにより、精神的なストレスや社会的孤立感が生まれる可能性も考えられます。
奥歯の入れ歯の種類

奥歯の入れ歯にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、保険が適用されるものと自費診療のものに分けて、奥歯に使用されることが多い入れ歯をご紹介します。
保険適用の入れ歯
保険適用の入れ歯は、初めて入れ歯を使う方や費用を抑えたい方に選ばれています。レジン(プラスチック)で作られており、費用は5,000円〜1万5,000円程度で作ることができ、全国どこの歯科医院でも対応してもらえるのが特徴です。
ただし、床が厚めで装着感がやや劣る場合があり、見た目の自然さも追求できるわけではありません。最低限の耐久性はありますが、経年劣化や破損のリスクがあるため、定期的に調整や作り直しが必要になることもあります。
自費診療の入れ歯
自費診療の入れ歯は、保険が適用されない分、自由に素材や設計を選ぶことができる入れ歯です。使用できる素材に制限がないため、見た目が自然で快適な装着感を得られるものも多くなります。
代表的なものとしては、ノンクラスプデンチャーや金属床義歯などがあります。ノンクラスプデンチャーは金属のバネがなく、歯茎の色に近い素材で作られているため、口を開けたときに目立ちにくいのが特長です。そのため、審美性を重視したい方に選ばれています。
また、金属床義歯は、土台部分を金属で作ることで、薄くて丈夫な入れ歯に仕上げられます。熱を伝えやすいため、食べ物の温度を感じやすく、装着時の違和感が少ないのもポイントです。
他にも、磁石の力で安定させるマグネットデンチャー、インプラントで固定するインプラントオーバーデンチャーなど、多様な種類があります。自費診療の入れ歯は、費用が高額になる傾向がありますが、より快適で自然な仕上がりを求める方にとっては、満足度の高い選択肢となるでしょう。
奥歯を入れ歯にするメリットとデメリット

ここでは、奥歯を入れ歯にするメリットとデメリットについて解説します。
奥歯を入れ歯にするメリット
まずは、入れ歯治療の主な利点について詳しく見ていきましょう。
費用を抑えられる
入れ歯は、ほかの治療法に比べて費用が安く抑えられることが多いです。特に、保険適用の部分入れ歯であれば、初期費用を大幅に抑えられるでしょう。金属床義歯やノンクラスプデンチャーなど、見た目や快適さにこだわった自費の入れ歯でも、インプラントと比べると手が届きやすい価格帯といえます。
治療期間が短い
入れ歯は、ほかの治療法と比べて治療に必要な時間が短いことが特徴です。一般的には数回の通院、1〜2ヶ月で装着できるため、忙しい方にとっては大きなメリットです。
一方で、インプラントは手術が必要なうえ、顎の骨と結合するのを待つ期間が数か月かかります。また、ブリッジの場合は、健康な歯を削って土台にするために複数回の処置が必要になります。
治療を早く終えたい、体に負担をかけたくないという方にとって、入れ歯は現実的で取り入れやすい選択肢といえるでしょう。
取り外して清掃できる
入れ歯は、口の中から取り外して洗うことができます。食後に入れ歯を外して洗浄すれば、食べかすや汚れをしっかり取り除くことができ、清潔な状態を保ちやすいのが特長です。
奥歯を入れ歯にするデメリット
ここからは、奥歯を入れ歯にする際に感じやすい不便さや注意点について解説します。
違和感が生じることがある
入れ歯は、装着当初に違和感を覚える方が多いです。特に、床と呼ばれる部分が上あごや下あごに密着するため、異物感や圧迫感を覚えることがあります。
また、装着時にわずかなズレや動きがあると、話しにくさや食べづらさを感じることもあります。ただし、これらの違和感の多くは時間とともに慣れるケースが多いです。
硬いものを噛みにくい
入れ歯は、天然の歯に比べると噛む力が弱くなります。特に、硬い食べ物をしっかり噛むのが難しく感じることがあります。
せんべいやナッツ、お肉などを食べるときに噛みにくさを感じるケースもあります。
発音しにくくなることがある
入れ歯を装着すると、舌の動きや口の中の空気の流れが変わるため、特定の発音がしにくくなることがあります。これは入れ歯の装着初期によくみられる現象で、特にサ行やタ行など舌先を使う音に影響が出やすいです。
ただし、ほとんどの場合は、時間の経過とともに慣れて気にならなくなります。慣れるまでにかかる時間には個人差がありますが、練習や意識的な発音のトレーニングによって改善が期待できます。
奥歯の入れ歯を選ぶときのポイント

奥歯の入れ歯にはさまざまな種類があり、素材や構造によって使い心地や見た目、費用などが異なります。自分に合った入れ歯を選ぶためには、歯科医師とよく相談し、自分の希望や生活スタイルに合ったものを選択することが大切です。
ここでは、入れ歯を選ぶ際に意識したいポイントを解説します。
噛み心地を重視する
食事を楽しむうえで、噛み心地は非常に重要です。しっかり噛めないと、食べ物をうまくすりつぶせず、食事の満足感が下がるだけでなく消化にも影響が出ることがあります。入れ歯の種類によって噛み心地には差があるため、自分のライフスタイルや食の好みに合ったものを選ぶことが大切です。
装着感や違和感の少なさを考慮する
毎日使う入れ歯は、できるだけ違和感が少なく、快適に使えるものであることが大切です。舌や頬の動きに影響を与えることもあるため、厚みや大きさ、素材のやわらかさなどにも配慮する必要があります。
違和感が強いと、話しにくさや食べにくさの原因にもなります。ただし、入れ歯は使用しながら少しずつ口の中に合わせていくものです。はじめから完璧に合うとは限らないため、調整を前提に考え、ストレスの少ないものを選びましょう。
見た目の自然さを大切にする
入れ歯は、装着したときの見た目の自然さも重要なポイントです。特に、笑ったときに見える部分には、金属のバネが目立たないような入れ歯を選ぶことで、口元の印象をより自然に保てるでしょう。
ノンクラスプデンチャーは樹脂で作られており、装着していても目立ちにくいため、見た目を気にする方に選ばれています。自分の歯や歯ぐきの色に近い素材を使って違和感を軽減できる点もメリットです。
費用とのバランス
治療の選択では、見た目や機能だけでなく、費用とのバランスも大切です。保険診療の入れ歯は費用を抑えられますが、目立ちやすい金属のバネが使われるため、審美性が高いとはいえません。
一方、自費診療の入れ歯は見た目や使い心地に優れているものの、費用が高額になります。見た目や快適さを重視したい方にはメリットの多い選択肢ですが、予算も考えて選ぶ必要があります。
まとめ

奥歯の入れ歯には、保険適用のレジン床義歯と自費診療のノンクラスプデンチャーや金属床義歯など、さまざまな種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、費用や装着感、見た目、耐久性などが異なります。
自分に合った入れ歯を選ぶためには、歯科医師とよく相談し、試着や調整を重ねながら決定していくことが大切です。
奥歯の入れ歯を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

■この記事の監修者
山本 司将
経歴
- 1998年 愛知学院大学歯学部 卒業
- 2002年 愛知学院大学大学院 歯学研究科(歯科補綴学専攻) 修了
- 2002年~2010年 愛知学院大学歯学部 補綴科 講師(在籍期間 8年3カ月)
所属機関・資格・活動等
- 日本補綴歯科学会 指導医(登録番号 第1210号)
- 日本補綴歯科学会 代議員(東海支部)
- 博士(歯学)歯甲344号
- 補綴歯科専門医 (6-0068号)一般社団法人 日本歯科専門医機構 認定
- 第1種滅菌技師(認定番号 第14CSS027号)一般社団法人 日本医療機器学会 認定
- 第一種歯科感染管理者 NPO法人 日本・アジア口腔保健支援機構 【JAOS】 認定
- 幸田町立中央小学校学校医
- 愛知学院大学歯学部 招聘教員
- 三河歯科衛生専門学校 非常勤講師
- 補綴分野・感染管理分野でのセミナー講師を多数担当