歯周病と歯肉炎の違いとは?歯周病が進行する過程と治療法も
2026年06月20日(土)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

「歯周病と歯肉炎は何が違うのだろう」「歯茎から血が出るけれど歯周病なのだろうか」と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
歯肉炎と歯周病は別の病気と思われがちですが、実際には歯肉炎は歯周病のはじまりの状態にあたります。
歯茎だけに炎症が起きている状態と、歯を支える組織や骨にまで炎症が広がった状態では、症状や必要となる治療が異なります。また、歯周病は初期には目立った痛みがないことも多く、自覚のないまま進行するケースも少なくありません。
この記事では、歯周病と歯肉炎の違いをはじめ、歯周病が進行する過程や治療方法、日常生活で取り組みたい予防策についてわかりやすく解説します。
目次
歯周病と歯肉炎の違い

歯周病と歯肉炎は別の病気と思われることがありますが、実際には歯肉炎は歯周病のはじまりの状態にあたります。
歯周病は歯茎や歯を支える組織に炎症が起こる病気の総称であり、その進行度によって呼び方が変わります。歯肉炎は炎症が歯茎に限られている状態です。この段階では歯を支える骨への影響はみられません。
一方、炎症が歯茎の奥へ広がり、歯を支える組織にまで及んだ状態は歯周炎と呼ばれます。つまり、歯肉炎と歯周炎の違いは、炎症が歯茎だけにとどまっているか、歯を支える組織まで広がっているかという点です。
歯周病は初期の歯肉炎から始まり、進行すると歯周炎へ移行します。そのため、早い段階で異常に気付き、適切なケアや治療につなげることが大切です。
歯周病が進行する過程

歯周病はある日突然重症化する病気ではありません。歯茎に起きた小さな炎症から始まり、少しずつ歯を支える組織へと影響が広がっていきます。
はじまりの状態では痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気付かないまま進行することも少なくありません。歯周病を早期に発見し、適切な対応につなげるためには、進行段階ごとにどのような変化が起こるのかを知っておくことが大切です。
歯肉炎
歯肉炎は歯周病の最も初期の段階です。歯と歯茎の境目にたまったプラーク(歯垢)の細菌によって、歯茎に炎症が起こった状態を指します。歯茎が赤くなったり腫れたりするほか、歯磨きの際に出血することがあります。
しかし、強い痛みを感じることは多くないため、自覚しにくい場合もあります。この段階では炎症は歯茎に限られており、歯を支える骨への影響はみられません。そのため、歯周病のなかでは早い段階といえます。
歯肉炎は見た目の変化や出血によって気付くことが多い段階です。こうしたサインを見逃さないことが歯周病の進行を防ぐ第一歩になります。
軽度歯周炎
歯肉炎が進行し、炎症が歯茎の奥へ広がった状態を軽度歯周炎といいます。
この段階になると、歯茎だけでなく歯を支える組織にも炎症の影響が及び始めます。また、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなり、歯ブラシが届きにくい部分に細菌が残りやすくなります。さらに、歯を支える骨ではわずかな吸収が始まります。
大きな変化を感じない場合でも、歯周病は少しずつ進行しています。
中等度歯周炎
軽度歯周炎からさらに進行すると、中等度歯周炎になります。この段階では、歯を支える骨の減少が進み、歯周組織への影響が大きくなります。
その結果、歯茎から膿が出たり、口臭が気になったりすることがあります。また、歯を支える力が弱くなるため、歯が浮いたような感覚や、噛んだときの違和感を覚える場合もあります。さらに進行すると、歯がわずかに動くように感じることもあります。
初期の歯周病と比べて自覚できる変化が増えるため、歯周病に気付くきっかけとなることが多い段階です。
重度歯周炎
重度歯周炎は、歯周病がさらに進行した状態です。この段階では、歯を支える骨が大きく失われています。そのため、歯のぐらつきがはっきりと現れることがあります。また、歯茎が下がることで歯が長く見えたり、歯と歯の間にすき間ができたりすることもあります。
さらに進行すると、歯の位置が変化し、以前と比べて噛み合わせに違和感を覚える場合があります。歯を支える組織へのダメージが大きくなっているため、状態によっては歯の保存が難しくなることもあるでしょう。
歯周病の治療法

歯周病は自然に治る病気ではないため、進行の程度に応じた治療が必要です。
歯周基本治療
歯周基本治療は、最初に行われる治療です。歯周病の原因となるプラークや歯石を取り除き、口腔内を清潔な状態へ近づけていきます。歯石は一度付着すると歯磨きでは除去できないため、専用の器具を使用して取り除く必要があります。
また、歯周病の予防や再発防止には毎日のセルフケアも重要です。そのため、磨き残しが生じやすい場所を確認しながら、歯磨きの方法についても見直していきます。
歯周基本治療によって口腔内の環境を整えることで、その後の治療をより進めやすくなります。
歯周外科治療
歯周外科治療は、歯茎の奥にある歯周組織へ直接アプローチする治療です。
代表的な方法の一つに、歯茎を開いて歯の根の周囲を確認しながら処置を行う手術があります。歯周ポケットの奥まで目で確認できるため、歯の根に付着した汚れや歯石を取り除きやすくなります。また、状態によっては、失われた歯周組織の再生を促す治療が検討されることもあります。
歯周外科治療が必要かどうかは、歯周病の進行状況や口腔内の状態を確認したうえで判断します。
歯周病を予防するためには

歯周病ははじまりの状態では自覚症状が少なく、気付かないうちに進行することがあります。そのため、症状が現れてから対処するのではなく、日頃から予防に取り組むことが大切です。
歯周病の予防は特別なことではなく、毎日の口腔ケアや生活習慣の見直しなど、身近な取り組みの積み重ねが基本となります。また、歯科医院で定期的に口腔内の状態を確認することも重要です。
ここからは、歯周病を予防するために意識したいポイントについて解説します。
毎日の正しいブラッシング
歯周病を予防するためには、プラークを取り除くことが大切です。
プラークには多くの細菌が含まれており、蓄積すると歯茎の炎症を引き起こす原因になります。特に汚れが残りやすいのは、歯と歯茎の境目や歯と歯の間です。そのため、歯の表面だけでなく細かい部分まで意識して磨くことが重要です。
歯磨きを丁寧に続けることが、歯周病予防の基本となります。
生活習慣の改善
歯周病の予防には、毎日の口腔ケアだけでなく生活習慣を整えることも大切です。栄養バランスの良い食事や十分な睡眠は、健康な体を維持するための基本です。体調が整うことで、歯茎の健康維持にもつながります。
また、生活リズムが乱れると、歯磨きなどの日常的なケアが十分に行えなくなることもあります。毎日の食事や睡眠を見直し、規則正しい生活を心がけることが歯周病予防に役立ちます。
禁煙
喫煙は歯周病の危険因子の一つです。たばこに含まれる有害物質は歯茎の血流に影響を与え、歯周病の発症や進行に関わることが知られています。また、喫煙者は歯周病にかかるリスクが高く、治療後の回復にも影響が及ぶことがあります。
歯茎の健康を守るためには、毎日の口腔ケアに加えて禁煙に取り組むことも大切なのです。
定期的な歯科検診
歯周病の予防には、毎日のセルフケアに加えて定期的な歯科検診も欠かせません。
歯科医院では、自分では気付きにくい口腔内の変化を確認できます。症状が現れる前に異常を見つけることで、歯周病の進行を防ぎやすくなります。また、継続して口腔内の状態を確認することで、その時々に応じたケアにつなげやすくなります。
歯茎の健康を維持するためにも、定期的に歯科医院でチェックを受けるようにしましょう。
まとめ

歯肉炎は歯周病のはじまりの段階であり、炎症が歯茎に限られている状態です。
一方、進行して歯を支える組織や骨にまで影響が及んだ状態は歯周炎と呼ばれます。歯周病は歯肉炎から始まり、軽度歯周炎、中等度歯周炎、重度歯周炎へと進行していきます。進行すると歯のぐらつきや噛み合わせの変化が生じ、状態によっては歯の保存が難しくなることもあります。
しかし、毎日の丁寧なブラッシングや生活習慣の見直し、禁煙、定期的な歯科検診などを続けることで、歯周病の予防や早期発見につなげることができます。歯茎からの出血や腫れなどの変化がみられる場合は放置せず、早めに歯科医院で相談しましょう。
歯周病の症状にお悩みの方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

■この記事の監修者
山本 司将
経歴
- 1998年 愛知学院大学歯学部 卒業
- 2002年 愛知学院大学大学院 歯学研究科(歯科補綴学専攻) 修了
- 2002年~2010年 愛知学院大学歯学部 補綴科 講師(在籍期間 8年3カ月)
所属機関・資格・活動等
- 日本補綴歯科学会 指導医(登録番号 第1210号)
- 日本補綴歯科学会 代議員(東海支部)
- 博士(歯学)歯甲344号
- 補綴歯科専門医 (6-0068号)一般社団法人 日本歯科専門医機構 認定
- 第1種滅菌技師(認定番号 第14CSS027号)一般社団法人 日本医療機器学会 認定
- 第一種歯科感染管理者 NPO法人 日本・アジア口腔保健支援機構 【JAOS】 認定
- 幸田町立中央小学校学校医
- 愛知学院大学歯学部 招聘教員
- 三河歯科衛生専門学校 非常勤講師
- 補綴分野・感染管理分野でのセミナー講師を多数担当