歯並びが影響する?顎関節症の原因と治療法
2026年03月21日(土)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

顎の関節に違和感がある、口を開けると音が鳴るといった症状に心当たりがある方は少なくありません。こうした不調は顎関節症と呼ばれ、放置すると日常生活に影響が広がることがあります。
また、近年では歯並びとの関係にも関心が高まり、噛み合わせの乱れが顎に負担をかける可能性についても注目されています。
この記事では、歯並びと顎関節症の関係や放置するリスク、治療法について解説します。
目次
顎関節症とは

顎関節症は、顎の関節やその周囲の筋肉に異常が生じることで、痛みや違和感、開口障害などが現れる状態を指します。口を開けると音が鳴る、顎がだるい、スムーズに動かないといった症状が代表的です。
顎関節は、耳の前あたりに位置し、食事や会話など日常の動作に欠かせない重要な役割を担っています。この関節は非常に繊細で、わずかなバランスの乱れでも不調が生じやすい特徴があります。
また、顎関節症は一つの原因だけで発症するものではなく、複数の要因が重なって起こるケースが多いとされています。そのため、症状の出方や程度には個人差があり、軽度の違和感から強い痛みまで幅広い状態が見られます。
歯並びが悪いと顎関節症になる?

歯並びの乱れは、顎関節に余計な負担をかける原因のひとつとされています。
歯列が崩れていると噛み合わせが不安定になり、咀嚼の際に顎の動きが左右どちらかに偏ることがあります。その結果、顎の筋肉や関節に常に緊張や負荷がかかりやすくなり、痛みや違和感として現れることがあるのです。
とくに、上の歯と下の歯が正しく噛み合っていない状態では、顎が本来の位置で動かせず、徐々に関節にズレが生じる可能性があります。
さらに、歯並びが崩れることによって、無意識に奥歯で強く噛みしめたり、歯ぎしりを起こしたりするリスクも高くなります。これらは顎関節にとって大きなストレスとなり、慢性的な症状の原因となることもあります。
歯並びが悪いと必ずしも顎関節症になるわけではありませんが、両者には密接な関係があり、放置すると悪循環に陥る恐れがあるのです。
顎関節症の主な原因

ここでは、顎関節症の主な原因を確認していきましょう。
顎の使いすぎや偏った使い方
日常生活のなかで、何気なく繰り返している習慣が、実は顎に負担をかけていることがあります。
たとえば、片側だけで物を噛む癖や、硬いものを頻繁に食べるといった行動がそれにあたります。また、無意識に歯を噛みしめる癖や、顎を前に突き出すような動作も、筋肉や関節にとっては負担となります。
こうした状態が続くと、顎の筋肉のバランスが崩れ、関節に負荷がかかりやすくなるのです。特に偏った使い方は、関節の動きを不自然にし、痛みや違和感を引き起こす原因になります。日頃の習慣を見直すことが、症状を和らげるためには重要です。
ストレスや筋肉の緊張
精神的なストレスは、無意識のうちに歯を食いしばる原因となり、顎周辺の筋肉を緊張させます。この状態が長く続くと、筋肉が疲労し、痛みやこわばりを感じやすくなります。
特に現代社会では、仕事や人間関係などによるストレスが多く、顎関節症の発症に関与するケースが増えています。心身のバランスが崩れると、顎にも影響が及ぶ点が特徴です。
外傷
転倒や事故、スポーツなどで顎に強い衝撃を受けた場合、関節や周囲の組織にダメージが加わることがあります。このような外傷がきっかけとなり、顎関節症を発症するケースも見られます。
一見軽い打撲であっても、内部の組織に影響が残る場合があり、時間が経ってから症状が現れることもあるでしょう。
顎関節症を放置するリスク

顎関節症をそのままにしておくと、口だけではなく全身にも悪影響を及ぼすことがあります。ここでは、放置した場合に起こりうるリスクについて詳しく見ていきましょう。
痛みや違和感が長引く
顎関節症の症状には、口を開け閉めする際の痛みや、耳の周囲に生じる重だるさ、頭痛、首や肩のこりなどがあります。これらの症状は初期段階では軽いケースも多いのですが、放置すると慢性化する可能性があります。
慢性的な痛みや不快感が続くと、日常生活の質を下げるだけでなく、ストレスや精神的な不調にもつながるでしょう。
口が開きにくくなる
顎関節症をそのままにしておくと、口を開ける動作に制限が出ることがあります。たとえば、指が縦に2本しか入らない、以前より口が開かなくなったと感じる場合は、開口障害が進行しているサインかもしれません。
これにより、食事や会話が不自由になり、日常生活に支障をきたすおそれがあります。悪化させないためにも、早めの対処が望ましいといえるでしょう。
噛み合わせのバランスがさらに崩れる
顎関節症をそのままにしていると、噛み合わせのバランスが徐々に崩れていく可能性があります。
顎がスムーズに動かせない状態が続くと、無意識のうちに特定の歯で噛むようになることがあるでしょう。こうした偏りによって、歯や顎の一部に過度な負担がかかり、噛み合わせがさらに悪化するという悪循環に陥るケースも少なくありません。
その結果、歯の摩耗や知覚過敏、さらに顎関節への負担が増し、症状が悪化する可能性もあります。
食事や会話がしにくくなる
顎関節症が進行すると、口の開閉がしづらくなり、食事や会話に支障が出ることがあります。
たとえば、食べ物をうまく噛めなかったり、顎に痛みを感じて咀嚼を避けるようになったりすると、食事の楽しみが失われるだけでなく、栄養バランスが偏る原因にもなります。また、口が開けにくくなると、しゃべりにくくなったり、発音が不明瞭になったりすることもあります。
これらの不便は日常生活の質を下げる要因となり、人とのコミュニケーションにも影響を与える可能性があります。顎関節症を放置すると、社会生活にまで支障をきたす可能性があるのです。
歯並びを矯正すると顎関節症も治る?

歯並びを整えることで顎関節症の改善が期待できるのかは、多くの方が気になるポイントです。結論からいうと、歯並びの治療だけで必ず症状が改善するとは限りませんが、噛み合わせのバランスが整うことで顎への負担が軽減される可能性はあります。
顎関節症は、歯並びだけでなく筋肉の緊張や生活習慣、ストレスなど複数の要因が関係しているため、原因に応じた対応が必要です。そのため、歯列矯正によって噛み合わせが安定すると症状が和らぐケースもあれば、大きな変化が見られない場合もあります。
重要なのは、顎関節症の状態を正しく把握し、歯並びの問題がどの程度関与しているかを見極めることです。歯科医師による総合的な診断のもとで、適切な治療方針を検討することが大切です。
顎関節症の治療法

顎関節症の治療法には、以下のようなものがあります。
生活習慣の改善
顎関節症の症状を軽減するためには、日常生活のなかで顎に負担をかけない工夫が大切です。たとえば、硬いものや大きく口を開ける食べ物は避け、なるべくやわらかい食事を選ぶことで、顎への負担を減らすことができます。
また、日中の姿勢にも注意が必要です。顎を突き出すような姿勢や、うつむき姿勢が続くと、顎関節に負担がかかりやすくなります。スマートフォンやパソコンを使う際は、目線の高さを意識して正しい姿勢を心がけましょう。
さらに、緊張やストレスが続いていると、顎周りの筋肉がかたくなります。軽い運動やストレッチ、深呼吸などを取り入れ、心身のリラックスを意識することも、症状の改善に役立ちます。
スプリント療法
スプリント療法とは、透明なマウスピースのような装置を歯に装着し、顎への負担を軽減する治療方法です。主に就寝時に装着することが多く、無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりから歯や顎関節を守る役割があります。
この装置により上下の歯の接触が調整され、顎の位置が安定しやすくなります。その結果、関節や筋肉にかかる過度な力が分散され、痛みや違和感の緩和につながります。
また、マウスピースは患者さんごとに歯型をもとに作製されるため、口腔内にフィットしやすく、継続して使用しやすい点も特徴です。負担の少ない治療として広く用いられています。
噛み合わせの調整
噛み合わせの調整とは、上下の歯が接触するバランスを整え、顎にかかる負担を減らすための処置です。歯並びや歯の高さにわずかなズレがあると、特定の歯や顎の関節に力が集中しやすくなり、不調の原因となることがあります。
具体的には、歯の表面を少し削って当たり方を調整したり、被せ物や詰め物の形を整えたりすることで、均等に力が分散される状態を目指します。これにより、顎の動きがスムーズになり、筋肉や関節への負担軽減につながります。
理学療法
理学療法は、顎の筋肉や関節の動きを改善するための治療方法です。主に行われるのは、口の開閉運動やストレッチ、筋肉の緊張をやわらげるマッサージなどです。これらの運動は、関節の動きをなめらかにし、痛みを軽減する効果が期待できます。
とくに、口が開きづらい、顎が引っかかるといった症状がある方には、このような運動が有効な場合があります。
まとめ

顎関節症は、歯並びの乱れだけでなく、生活習慣やストレス、外傷などさまざまな要因が重なって起こる症状です。そのため、一つの原因にとらわれず、日常の癖や身体の状態を総合的に見直すことが重要といえます。
また、軽い違和感であっても放置すると症状が長引く可能性があるため、早い段階で対処することが重要です。正しい知識をもとに、自分の顎の状態を把握し、適切に向き合うことが健やかな口腔環境の維持につながります。
顎関節症の症状にお悩みの方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
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