PMTCとは?歯科医院で受けられるプロによる歯のクリーニング
2025年11月29日(土)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

歯科医院で行われるPMTCという言葉を耳にしたことはありますか。これは、専門的な器具を使って歯の汚れを徹底的に除去するプロフェッショナルケアの一種です。
毎日の歯みがきでは落としきれない歯垢や着色汚れを除去し、虫歯や歯周病を予防する効果が期待できます。加えて、口臭の改善や歯の美しさを引き立てる点でも注目されています。近年では、予防歯科の重要性が広く認識されるようになり、PMTCのニーズも高まっています。
今回は、PMTCの基本からそのメリット、施術の流れや注意点までをわかりやすく解説します。
目次
PMTCとは

PMTCは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医院で専門の器具と技術を用いて行う、歯のクリーニング処置を指します。
歯科衛生士が専用の器具や機器を使って、歯の表面や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目などに溜まったプラーク(歯垢)やバイオフィルムを丁寧に除去します。
私たちが毎日行う歯みがきでは、どうしても磨き残しが出てしまい、時間とともにそれが虫歯や歯周病の原因になることがあります。PMTCは、そうした磨き残しをプロの手によって定期的に取り除くことで、口腔内の環境を健康な状態に保つための予防的処置です。
痛みや不快感もほとんどなく、施術後の爽快感を楽しみに通院する方も多く見られます。単なる清掃を超えた、予防医療としての役割が評価され、近年ますます注目を集めています。
PMTCのメリット

PMTCにはさまざまなメリットがあり、口腔内の健康を維持するうえで非常に有効な方法とされています。
虫歯や歯周病の予防につながる
PMTCの大きな利点のひとつが、虫歯や歯周病を予防できる点です。日々の歯みがきでは、どうしても取りきれない汚れが歯の表面や歯と歯の間、歯ぐきの境目などに残りがちです。こうした汚れが蓄積すると、虫歯や歯周病の原因菌が繁殖し、トラブルを引き起こします。
PMTCでは、歯科衛生士が専用の器具を使って、歯磨きでは落としきれない汚れをしっかり取り除いてくれるため、口の中を清潔に保ち、病気のリスクを減らすことができます。
汚れが再付着しにくくなる
PMTCでは、歯の表面を丁寧に磨き上げ、つるつるの状態に仕上げます。
表面が滑らかになることで、プラークや着色汚れが再び付着しにくくなり、きれいな状態を長く保てるのが特徴です。また、磨かれた歯はブラッシングもしやすくなるため、毎日のセルフケアの効果も高まります。
口臭の予防・改善が期待できる
口臭の原因の多くは、口腔内に残ったプラークや食べかす、細菌の繁殖によるものです。
特に歯と歯の間、歯ぐきのポケット、舌の奥などはにおいのもとが溜まりやすい部分です。PMTCでは、そうした自分では届きにくい部分まで徹底的に清掃するため、口臭の原因を元から取り除くことができます。
施術後は、口の中がすっきりとし、清潔感が長く続くのを実感できるでしょう。口臭が気になる方にとって、PMTCは予防と改善の両面からサポートしてくれる心強い方法です。
歯の本来の白さが引き立つ
PMTCはホワイトニングのように歯を白くする治療ではありません。
しかし、歯の表面に付着した着色汚れ(ステイン)をきれいに落とすことで、本来の自然な白さを取り戻すことができます。コーヒーやお茶、ワイン、喫煙などで付着した黄ばみやくすみも、専用のペーストと器具を使って丁寧に除去することで、ツヤのある美しい歯に仕上がります。
歯が白く見えることで、顔全体の印象も明るくなり、清潔感や若々しさを感じさせる効果も期待できます。
PMTCの流れ

PMTCは、いくつかのステップに分かれて丁寧に行われます。以下に、一般的な施術の流れをご紹介します。
口腔内のチェック
PMTCを始める前に、まず歯科医師または歯科衛生士によって口の中の状態がチェックされます。
虫歯や歯周病の有無、歯ぐきの腫れ、歯垢や歯石の付着状況などを細かく確認し、必要に応じてレントゲン撮影を行う場合もあります。この段階で異常が見つかれば、先に治療を優先することもあります。
安全にクリーニングを行うためにも、この事前チェックは非常に大切な工程です。
歯垢・歯石の除去(スケーリング)
次に、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に付着している歯垢(プラーク)や歯石を取り除くスケーリングを行います。これは、超音波スケーラーや手動の器具を使って行われ、普段の歯みがきでは落とせない頑固な汚れをしっかり除去します。
歯面清掃
歯垢や歯石を取り除いたあとは、歯の表面を専用の器具とペーストで磨き上げていきます。柔らかいラバーカップやブラシを使い、歯の表面に残る微細な汚れや着色を優しく取り除いていきます。この工程によって、歯の表面が滑らかになり、ツヤのある仕上がりになります。
さらに、表面が整うことで汚れの再付着も防ぎやすくなり、日常の歯みがきの効果も高まります。清掃後は、舌で触れたときに「ツルツルして気持ちいい」と感じる人も多い工程です。
フッ素塗布などで仕上げ
最後の仕上げとして、フッ素を歯の表面に塗布します。フッ素には、歯の再石灰化を促進し、酸への耐性を高める働きがあり、虫歯の予防に非常に効果的です。こうした仕上げの処置によって、PMTCの効果をより長く維持することができるのです。
PMTCを受ける頻度

PMTCの効果を長く保つためには、適切なタイミングで定期的に受けることが大切です。
あPMTCは一度受ければ終わりではなく、時間が経つと再びプラークやバイオフィルムが形成されていきます。そのため、一定の間隔でクリーニングを受けることで、口腔内を健康な状態に維持しやすくなります。
一般的には、3か月から半年に1回のペースで受けるのが理想とされていますが、これはあくまで目安であり、実際の頻度は人によって異なります。
たとえば、歯周病のリスクが高い方や、矯正治療中の方、喫煙習慣がある方などは、より短い間隔で受けることが勧められます。
一方で、セルフケアがしっかりできていて、お口の状態が安定している方は、半年に1回程度でも十分なケースもあります。
PMTCを受けるときの注意点

PMTCは安全性の高い施術ですが、いくつかの注意点も存在します。以下に詳しく解説します。
歯ぐきに炎症があると出血することがある
PMTCでは、歯と歯ぐきの境目にあるプラークや歯石も丁寧に除去します。そのため、歯ぐきに炎症があると、施術中に出血することがあります。
これは処置が原因というよりも、炎症によって歯ぐきが敏感になっているためで、過度に心配する必要はありません。多くの場合は一時的なもので、歯ぐきの状態が改善すれば、出血しにくくなっていきます。
施術前に気になる症状がある場合は、遠慮なくスタッフに相談しておくと安心です。
一時的に知覚過敏の症状が出ることがある
PMTCの施術後、歯がしみるような感覚が出ることがあります。
これは知覚過敏と呼ばれる症状で、特に歯石が多く付着していた場所や、エナメル質が薄くなっている歯で起こりやすくなります。清掃によって歯の表面がむき出しになったような状態になるため、一時的に刺激に敏感になるのです。
多くの場合は数日以内に落ち着きますが、気になる場合は歯科医院でアドバイスを受けるとよいでしょう。
自宅でのケアも継続する必要がある
PMTCはあくまでプロによるサポートであり、それだけで虫歯や歯周病を完全に防げるわけではありません。日々の歯みがきやデンタルフロス・歯間ブラシなどを使ったセルフケアを継続してこそ、効果が最大限に発揮されます。
PMTCを定期的に受けていても、自宅でのケアが不十分だと、再び汚れがたまりやすくなります。歯科医院でブラッシング指導を受けるなど、セルフケアの見直しもあわせて行うことが大切です。
まとめ

PMTCは、歯科の専門家が行う高精度なクリーニングによって、虫歯や歯周病、口臭の予防、そして歯の美しさの維持に貢献する予防処置です。
毎日の歯みがきだけでは届かない部分までしっかりと清掃することで、口腔内の健康状態を大きく向上させることができます。施術は痛みも少なく、リラックスして受けられるのも魅力のひとつです。
また、PMTCは定期的に受けることでその効果を持続でき、自宅でのセルフケアと組み合わせることで、より良い口腔環境を維持できます。将来の歯の健康を守るためにも、予防の一環としてPMTCを取り入れてみてはいかがでしょうか。
お口の健康を守りたいとお考えの方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
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