歯周病を放置するリスクと治療の重要性・費用も解説
2025年09月27日(土)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

歯ぐきの腫れや出血、口臭など「もしかして歯周病かも?」と思いながらも、そのまま放置してしまう方は少なくありません。
しかし、歯周病は自然に治ることはなく、放置すれば進行し、最終的には歯を失う原因となる恐ろしい病気です。さらに最近の研究では、歯周病は糖尿病や心疾患、脳梗塞など全身の健康にも影響することが明らかになっています。
それにもかかわらず、痛みが少ないことから軽視されやすく、気づいたときには重度に進行しているケースも多いのです。
今回は。歯周病を放置するリスクについて解説します。歯周病の症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
歯周病を放置するリスク

歯周病を放置するとさまざまなリスクが伴います。ここでは、歯周病を放置するリスクについて詳しく解説します。
全身疾患への影響
近年の研究では、歯周病菌が血液を通じて全身に広がり、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、さらには早産や低体重児出産といったリスクを高めることが報告されています。歯周病を放置することは、口腔内だけでなく全身の健康にとって大きなリスクとなります。
歯の喪失リスク
歯周病は歯を支えている骨(歯槽骨)を徐々に破壊する病気です。放置することで歯が支えを失い、最終的には抜け落ちてしまう可能性が非常に高くなります。
口臭や見た目の変化
歯周病を放置すると、口臭の原因となる細菌が繁殖し、口臭が強くなることがあります。また、歯ぐきが下がって歯が長く見えたり、隙間が広がって見た目に悪影響を及ぼしたりすることもあります。
歯ぐきの腫れや出血が続く場合や、歯がグラグラしてきたと感じる場合は、できるだけ早く歯科医院を受診して相談することが重要です。見た目の変化は進行度の目安にもなり、放置期間が長いほど回復が難しくなります。
生活の質の低下
歯周病で歯がぐらついたり抜け落ちたりすると、硬いものや好きな食べ物が食べづらくなり、栄養の偏りにつながる可能性があります。これによって、生活の質の低下にもつながります。
歯周病を放置した場合の症状の進行

歯周病の初期段階では、歯ぐきの腫れや出血、口臭などがみられることがありますが、痛みがほとんどないため自覚しにくいのが特徴です。
さらに歯周病を放置すると、歯ぐきの腫れや出血が悪化し、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットが深くなることがあります。このとき、歯を支える骨が大きく破壊されることで歯の動揺が顕著になり、最終的には歯が抜け落ちることもあります。
歯周病治療の目標

ここでは、歯周病治療の目標について解説します。
歯ぐきの炎症を抑える
歯周病治療の第一の目標は、歯ぐきの炎症を抑えることです。プラークや歯石を取り除き、歯周ポケット内の細菌を減らすことで、歯ぐきの腫れや出血を改善します。これにより口腔内の健康状態が整い、病気の進行を止めることが可能になります。
歯を残す
歯周病は歯を失う大きな原因ですが、治療によって歯の寿命を延ばすことができます。可能な限り自分の歯を残すことが、治療において最も重要な目標のひとつです。
噛む機能の回復
歯周病が進行すると歯がぐらつき、噛む力が弱まります。治療を行い、歯や歯ぐきを安定させることで、しっかり噛める機能を回復し、食事を楽しめるようになります。
全身の健康維持
歯周病を適切に治療することは、全身の健康維持に大きく貢献します。歯周病は歯ぐきの炎症だけでなく、細菌が血流にのって全身に影響を及ぼし、糖尿病や心疾患、脳卒中などのリスクを高めます。
歯周病を放置せず、適切な治療を受けることで、全身の健康を守ることに繋がるのです。
生活の質の向上
歯周病を治療することで、口臭や見た目の改善につながります。口元に自信を持てることで、人前での会話や笑顔に安心感が生まれ、生活の質を高めることができます。
歯周病治療を受けないことによるデメリット

ここでは、歯周病治療を受けないことによるデメリットについて解説します。
治療の難易度と費用が上がる
軽度の段階であれば簡単な処置で改善できるケースが多いですが、放置すれば治療が複雑化し、外科的処置や高額な治療が必要になる場合があります。早期治療を受けないことは、結果的に時間的・経済的な負担を増やすことになります。
再発する可能性
歯周病を放置すると、たとえ治療を受けても再発しやすくなります。
特に歯周ポケットの深さが4mm以上になると、歯垢や歯石が取り除きにくくなるため、細菌が繁殖しやすい状態が続きます。その結果、歯ぐきの腫れや出血を繰り返し、最終的には歯を支える骨が徐々に溶けていきます。
再発を防ぐためには、歯周病を治療したあとも定期的な歯科検診とクリーニングを受けることが大切です。
社会生活への悪影響
歯周病を放置すると、口臭や歯のぐらつきが進行し、会話や食事の際に周囲へ不快感を与えます。口臭は自分では気づきにくく、他人から指摘されることも少ないため、より注意が必要です。歯が抜けると見た目が悪化し、発音が不明瞭になり、咀嚼機能も低下します。
歯周病治療にかかる費用と期間

ここでは、歯周病の治療にかかる費用と期間について解説します。
歯周病治療にかかる費用
歯周病治療の多くは健康保険が適用されます。スケーリングやルートプレーニングといった基本的な処置であれば、1回あたり1,500円〜4,000円程度で受けられます。
一方で、歯周組織再生療法など、一部の治療は自費診療となります。この場合、1本あたり5万円〜20万円程度かかることもあり、選択する治療法によって大きな差があります。
歯周病治療にかかる期間
軽度の歯周病であれば、数回の通院で改善が見込めます。
しかし、中等度から重度になると、数か月から半年以上の通院が必要となる場合があります。外科的処置を行った場合はさらに期間が延びることもあります。
治療中は2〜4週間ごとに通院するケースが多く、症状が改善したあとも3〜6か月ごとの定期検診やメンテナンスが欠かせません。
早期に治療を始めれば費用も期間も少なく済みます。放置して症状が悪化すると、治療が長期化し、費用も高額になるため、できるだけ早めに歯科医院を受診することが重要です。
歯周病治療後の注意点

ここでは、歯周病治療後の注意点について解説します。
しっかり歯磨きをする
歯周病治療後は、プラークをためないことが再発防止の基本です。歯ブラシは毛先のやわらかいものを使い、歯と歯ぐきの境目を意識して小刻みに磨きます。また、デンタルフロスや歯間ブラシも併用することで、歯と歯の間の汚れも落とせます。
歯科医師や歯科衛生士のアドバイスを受け、正しいブラッシング方法を身につけましょう。
定期検診を受ける
治療が完了しても、歯周病は再発しやすい病気です。そのため、3〜6か月ごとに歯科医院で定期検診を受け、歯石除去や歯周ポケットのチェックを受けることが大切です。また、定期検診を受けることで、歯周病の再発や進行を早期に発見できるようになります。
生活習慣を改善する
喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因です。禁煙を心がけることが予防につながります。また、バランスの良い食生活や十分な睡眠も歯ぐきの健康を保つ助けになります。
ストレスをコントロールする
強いストレスは免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる原因になります。適度な運動やリラックスできる時間を取り入れることで、歯周病の再発リスクを減らすことができます。
まとめ

歯周病は痛みが少ないため軽視されがちですが、放置すれば歯を失う大きな原因となり、全身の健康にも悪影響を及ぼします。初期段階であれば簡単な治療で改善できるものの、進行すると外科処置や高額な治療が必要となり、治療期間も長引いてしまいます。
治療の目標は炎症を抑え、歯を残し、噛む機能と生活の質を維持することです。放置すると、歯を失うリスクが高まるだけでなく、全身健康に影響を及ぼす可能性もあります。だからこそ、できるだけ早く歯科医院で治療を受けることが重要なのです。
早期治療と適切なケアを徹底することで、大切な歯を守ることができるでしょう。
歯周病の症状にお悩みの方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。