奥歯のインプラント治療|流れ・費用・メリットと注意点を解説

2025年09月20日(土)

歯のコラム

こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

奥歯をインプラントにしたイメージ

奥歯を失ってしまうと、食事の楽しみが減ったり、発音がしにくくなったりと、日常生活にさまざまな影響が出てきます。

従来は入れ歯やブリッジで補うのが一般的でしたが、近年ではインプラント治療を選ぶ人が増えています。特に奥歯のインプラントは、しっかりと噛める安定感や見た目の自然さから注目されています。

一方で、外科的手術が必要になる点など、事前に理解しておくべきポイントも少なくありません。

今回は、奥歯をインプラントにするメリットとデメリット、費用、治療期間などについて解説します。失った奥歯の治療にインプラントを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療とは

奥歯をインプラントにするイメージ

インプラント治療とは、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。

失った歯を補う治療には入れ歯やブリッジもありますが、インプラントは顎の骨に直接固定されるため、天然の歯に近い感覚で噛むことができます。特に奥歯は咀嚼に大きな役割を果たすため、インプラントで補うことで食生活の質を大きく改善できます。

また、ブリッジのように隣の歯を削る必要がなく、残っている健康な歯を守れる点も特徴です。見た目の自然さや安定感から多くの人に選ばれており、長期的に使用できる治療法として注目されています。

奥歯のインプラント治療の流れ

レントゲンを見る歯科医と患者

ここでは、奥歯をインプラントにする治療の流れについて解説します。

精密検査と治療計画

治療の第一歩は、CT撮影やレントゲン検査を行い、顎の骨の厚みや密度、神経や血管の位置を確認することです。その情報をもとに、患者さんごとの治療計画を立てます。奥歯は噛む力が強くかかるため、特に顎の骨の状態を詳細に把握することが重要です。

インプラント体の埋入手術

次に、顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込む一次手術を行います。局所麻酔下で行われるため痛みを感じることはほとんどありません。手術後は数日間、腫れや違和感が出ることがありますが、通常は時間とともに落ち着いていきます。

骨との結合期間

インプラント体を埋め込んだあとは、顎の骨としっかり結合するまでの期間が必要です。一般的に2か月から6か月程度かかります。奥歯は力がかかりやすいため、この結合期間を丁寧に確保することが長期的な安定につながります。

上部構造の装着

顎の骨とインプラント体が結合したら二次手術を行い、アバットメントという部品を装着します。その後、型取りをして人工歯を作製し、最終的に取り付けます。天然歯に近い見た目と噛み心地を得られるのがこの段階です。

メンテナンスと長期管理

治療が完了したあとも定期的な通院が必要です。歯科医院でクリーニングや噛み合わせのチェックを受けることで、インプラントの寿命を延ばすことにつながります。奥歯は清掃が難しい部位なので、毎日のセルフケアとプロによるメンテナンスを組み合わせることが欠かせません。

失った奥歯をインプラントにするメリット

失った奥歯をインプラントにするメリットを説明するイメージ

失った奥歯をインプラントにするメリットは、以下のとおりです。

噛む力が安定しやすい

奥歯は食べ物を細かくすりつぶす役割を持っており、失うと食事に大きな支障が出ます。

インプラントは顎の骨に直接固定されるため、噛む力がしっかり伝わり、硬いものや弾力のある食べ物も安心して食べられます。入れ歯のようにズレたり外れたりする心配も少なく、日常生活で快適に過ごせるのが大きなメリットです。

隣の歯を守れる

ブリッジ治療の場合は両隣の健康な歯を削って支えにする必要があります。

しかし、インプラントなら失った歯の部分だけで治療が完結するため、周囲の歯を削らずに済みます。健康な歯を温存できることで、口腔全体の寿命を延ばす効果も期待できます。

見た目が自然

奥歯は目立ちにくい部分ですが、笑ったときや口を大きく開けたときに意外と視線がいく場所です。インプラントは天然の歯と見分けがつきにくいほど自然な仕上がりになるため、審美性の面でも優れています。歯を失ったことによるコンプレックスの軽減にもつながります。

失った奥歯をインプラントにするデメリット

失った奥歯をインプラントにするデメリットを説明するイメージ

どの治療法にもデメリットがあるように、インプラント治療にもデメリットがあります。のちに後悔するのを防ぐためにも、事前に理解しておきましょう。失った奥歯をインプラントにするデメリットは、以下のとおりです。

治療費が高額になりやすい

インプラントは保険が適用されない自由診療となるため、費用が高額になる点が大きなデメリットです。特に奥歯は噛む力が強くかかるため、耐久性を考えて質の良いインプラント体や被せ物を選ぶことが多く、結果として費用が高くなる傾向があります。

外科的手術が必要

インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込む外科的手術が不可欠です。そのため、持病がある方や骨量が少ない方は治療を受けられない場合があります。また、手術に伴う腫れや痛み、感染のリスクもゼロではなく、注意が必要です。

治療期間が長い

インプラントは埋め込んだ人工歯根が骨と結合するまでに数か月の時間を要します。すぐに歯が入るわけではなく、通院も複数回必要となるため、短期間で治療を終えたい人には不向きかもしれません。

失った奥歯をインプラントにする場合の費用

失った奥歯をインプラントにするのにかかる費用について説明するイメージ

奥歯のインプラント治療にかかる費用は、1本あたりおよそ30万円から50万円が一般的な相場です。この金額には、顎の骨に埋め込むインプラント体、土台となるアバットメント、そして被せ物となる人工歯の費用が含まれます。

ただし、使用する素材や被せ物の種類によって金額は変動し、見た目や耐久性を重視すれば費用が高くなる傾向があります。

また、骨の厚みが不足していて、骨造成などの追加手術が必要になるケースでは、さらに10万円から20万円程度かかることもあります。さらに、インプラント治療後も定期的なメンテナンスが欠かせず、クリーニングやチェックに費用がかかる場合があります。

したがって、インプラント治療は初期費用だけでなく、長期的に維持するための費用も考慮して計画を立てることが大切です。

失った奥歯をインプラントにする場合の治療期間

奥歯のインプラント治療にかかる期間のイメージ

奥歯のインプラント治療にかかる期間は、一般的に半年〜1年程度とされています。

最初に顎の骨に人工歯根を埋め込む手術を行い、その後、インプラント体と骨が結合するのを待つ時間が必要です。この結合期間は2か月から6か月ほどかかり、骨の状態や体質によって差があります。結合が安定した段階で上部構造(人工歯)を装着し、ようやく噛む機能が回復します。

また、骨の厚みが足りない場合、骨造成手術を併用するとさらに数か月治療が延びることもあります。

さらに、治療が終わったあとも定期的なメンテナンスが不可欠で、長期的に通院することがインプラントを長持ちさせるポイントとなります。

まとめ

奥歯のインプラント治療をして笑顔の男性

奥歯を失った際にインプラントを選択することには多くのメリットがあります。しっかり噛める機能性や自然な見た目、隣の歯を守れる利点から多くの人に選ばれています。

一方で、費用の高さや外科手術の必要性、治療期間の長さといったデメリットも理解しておくことが大切です。特に奥歯は食生活の快適さを左右する重要な部位であり、インプラント治療によって生活の質を大きく改善できる可能性があります。

ただし、治療には長期的なメンテナンスも含まれるため、信頼できる歯科医院を選び、自分の口腔状態やライフスタイルに合った方法を検討することが欠かせません。

インプラント治療の特徴をよく理解したうえで、歯科医師と相談し、納得のいく選択をすることが健康で快適な毎日につながります。

インプラント治療を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。

当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。