インプラント治療とは?メリットや治療の流れ、費用の目安
2025年06月20日(金)
歯のコラム
こんにちは。額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」です。

歯を失ったとき、どのように治療するのか多くの方が悩むのではないでしょうか。近年では、入れ歯やブリッジに加えて、インプラント治療という選択肢も広く知られるようになってきました。
インプラントは、見た目や噛み心地が天然の歯に近く、長期間安定して使用できることから、幅広い年齢層に注目されています。「インプラントって何?」「費用はどのくらいかかるの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インプラント治療の基礎知識からメリット・デメリット、治療の具体的な流れや費用の目安まで、初めての方にもわかりやすく解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療とは

インプラント治療とは、歯を失った部分に人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を装着することで、失った歯の機能や見た目を回復させる歯科治療です。インプラントは骨と結合するため固定力に優れており、天然歯のような噛み心地と自然な見た目が得られます。
入れ歯やブリッジとは異なり、周囲の健康な歯を削る必要がなく、しっかりと骨に固定されるため、長期的に安定した状態を維持しやすいという特徴があります。
インプラント治療は、見た目の自然さを重視する方や、食事や会話に不自由を感じたくない方にとって人気の選択肢となっています。また、1本の歯を失ったケースから、すべての歯を失ったケースまで、幅広く対応できる柔軟性も魅力のひとつです。
ただし、あごの骨の状態や全身の健康状態など、インプラント治療には一定の条件が求められます。歯科医師による診断を通じて、自分に合った治療かどうかを判断することが大切です。
インプラント治療のメリット

インプラント治療は、入れ歯やブリッジと比べて多くのメリットがあるため、幅広い年齢層の患者さまに選ばれています。以下では、主なメリットについて具体的に解説していきます。
見た目が自然で審美性が高い
インプラント治療における人工歯は、セラミックなどの高品質な素材を使用しており、周囲の歯と色や形を自然に合わせることができます。そのため、見た目に違和感がなく、まるで本物の歯のような美しい仕上がりが期待できます。
噛む力が強く食事を楽しめる
インプラントはあごの骨に直接固定されるため、しっかりとした噛み心地を実現できます。入れ歯のように動いたり外れたりする心配がなく、硬い食べ物も自然に噛むことができます。好きなものを気兼ねなく楽しむことができるのは、大きなメリットです。
周囲の歯に負担をかけない
ブリッジ治療では、両隣の健康な歯を削る必要がありますが、インプラントでは健康な歯を削る必要がありません。独立して歯を補うため、周囲の歯に負担をかけることなく、口腔全体の健康を保ちやすくなります。
将来的な歯の寿命を延ばす意味でも、非常に効果的な選択肢と言えるでしょう。
長期間使用できる
インプラントは耐久性に優れており、正しくメンテナンスを行えば10年以上、場合によっては20年以上使用できることもあると言われています。初期費用はかかるものの、長い目で見ればコストパフォーマンスに優れた治療法だといえるでしょう。
インプラント治療のデメリット

多くのメリットがあるインプラント治療ですが、すべての方にとって完璧な選択肢とは限りません。治療には一定のリスクや制限があり、事前に十分理解しておくことが必要です。
ここでは、インプラント治療を受けるうえで注意すべきデメリットについて詳しく見ていきます。
外科手術が必要で身体に負担がかかる
インプラント治療では、あごの骨に人工歯根を埋め込む外科手術を行います。局所麻酔を用いるとはいえ、体への負担が少なからずあります。術後には腫れや痛みが数日続くこともあり、体調によっては回復に時間がかかる場合もあります。
特に、高齢者や全身疾患のある方は、医師との十分な相談が必要です。リスクが大きいと、他の治療法を勧められる場合もあります。
費用が高額になりやすい
インプラント治療は原則、保険が適用されない自費診療になります。そのため、他の治療法と比べて費用が高くなります。1本あたり30万円~50万円ほどかかり、経済的な負担は無視できません。
長期的なコストパフォーマンスは高いですが、初期費用の高さは事前に理解しておくべき要素です。
治療期間が長い
治療期間は、患者さまの歯やあごの骨の状態によって異なりますが、3か月以上かかるのが一般的です。骨とインプラントがしっかり結合するまで時間がかかるためです。
すぐに治療を終えたい方にとっては、デメリットに感じられることもあります。
定期的なメンテナンスが不可欠
インプラント自体はむし歯にはなりませんが、周囲の歯は虫歯になるリスクがあります。また、歯周病に似た、インプラント周囲炎という病気にかかるリスクもあります。そのため、治療後も定期的なメンテナンスやクリーニング、正しいセルフケアが欠かせません。
メンテナンスを怠ると、せっかく埋め込んだインプラントが抜け落ちることもあるため、長期にわたる自己管理が必要です。
インプラント治療の流れ

インプラント治療は、ただ人工歯を入れるだけではありません。カウンセリングや検査から手術、アフターケアまで、複数のステップを踏んで進められます。治療には3か月以上要することが一般的であり、各工程の理解と患者さまの協力が重要です。
以下に、一般的なインプラント治療の流れを段階ごとにご紹介します。
カウンセリング・診察
まずは患者さまの口腔内の状態を確認し、インプラント治療が可能かどうかを判断します。インプラント治療が可能だと判断された場合、治療の進め方や費用、期間などについて説明を受けることになります。
また、治療に関して不安や疑問、ご要望があれば、この時点で相談しておきましょう。信頼できる歯科医師を選ぶことが重要です。
精密検査と治療計画の立案
インプラント治療では、治療前に、レントゲン撮影やCTスキャンを通じて骨の量や質、神経や血管の位置などを詳細に確認します。これらの検査結果をもとに、安全で効果的な手術計画が立てられます。
検査結果に応じて、骨が不足している場合は骨造成(骨を増やす処置)も検討されることがあります。
インプラント埋入手術
局所麻酔のもとで、あごの骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込む手術が行われます。手術時間は1本あたり30分〜1時間程度が一般的です。術後数日間は、医師の指示に従い安静のすることが求められます。
痛みや腫れが生じる場合がありますが、処方された薬でコントロールできることが多いです。基本的には数日でおさまるでしょう。
オッセオインテグレーション
インプラント体と骨がしっかりと結合する現象を、オッセオインテグレーションといいます。インプラントが安定するまでには、3〜6か月ほど治癒期間が必要になります。
アバットメントの装着と型取り
インプラント体と骨がしっかり結合したら、インプラントと人工歯をつなぐアバットメントと呼ばれるパーツを取り付け、最終的な人工歯を作るための型取りを行います。この段階では、噛み合わせや見た目も細かく調整されます。
人工歯の装着と完成
完成した人工歯をアバットメントに取り付けて、治療が完了します。見た目や噛み心地を確認し、問題がなければインプラントとしての使用が開始されます。
定期的なメンテナンス
インプラントを装着した後は半年〜1年ごとの定期検診が推奨されます。清掃状態の確認や噛み合わせのチェックなどを行い、インプラントの長期維持を図ります。
インプラント治療の費用

インプラント治療は保険が適用されない自費診療であるため、費用は歯科医院ごとに異なり、治療内容によっても異なります。治療を検討する際は、検査や手術、人工歯の装着、アフターケアまでを含めた総額で考えることが重要です。
ここでは、一般的な費用の目安と、費用に影響を与える要素について解説します。
インプラント1本あたりの費用相場
日本国内でのインプラント治療は、1本あたり約30万円〜50万円が相場とされています。この金額には、インプラント体(人工歯根)、アバットメント、人工歯(上部構造)といったパーツの費用が含まれるのが一般的です。
この金額に加えて、初診料、CT検査費用、手術費用、メンテナンス料などが別途発生する場合もあります。
骨造成や追加処置が必要な場合の追加費用
あごの骨が十分でない場合には、骨造成やサイナスリフトといった追加処置が必要になることがあります。これらの処置には別途5万円〜20万円程度の費用がかかることが一般的です。また、難症例や特別な素材を使用する場合にも、費用が上乗せされることがあります。
保証制度
歯科医院によっては、インプラント治療に対して数年の保証制度を設けていることがあります。万が一のトラブルに備えて、保証内容や期間を事前に確認しておきましょう。
まとめ

インプラントとは、失った歯の機能と見た目を取り戻すための先進的な治療法です。見た目が自然でしっかり噛めるという大きなメリットを持ち、日常生活の質を高めてくれます。
一方で、外科手術による身体的負担や費用の負担、治療期間の長さといったデメリットもあるため、十分な情報を得てから判断することが大切です。治療の流れや費用の目安を知っておくことで、納得のいく選択がしやすくなるでしょう。
インプラント治療を検討されている方は、額田郡幸田町の歯医者「やまもと歯科醫院」にお気軽にご相談ください。
当院は、補綴歯科専門医として患者様の口腔の健康と快適な生活を支える治療を提供することに全力を尽くしています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。